「どっちに転んでも安心」な資産運用とは?

人的資本もあって1,000万円以上の資産がある人は、積極的な資産運用も視野に入れていいだろう。ただ、どの程度運用に回して良いかは考えるべきだ。

「1,000万円あれば、半分の500万円は定期預金や積み立てなどローリスクの商品で運用して、残りの半分はある程度のリスクを覚悟して株や外貨で運用してみてはどうでしょう。

詳しく知っている業界や企業がある場合以外では株価連動投信(インデックス型投信)などが初心者向けかもしれません。日本は緩やかなインフレを目指した経済運営が続くでしょう。インフレで物価が上がれば、少なくとも「企業の利益額」は大きくなり、それにともなって株価も上がっていきます。その動きと連動する資産を保有しておくべきです。日本の投信は手数料が高いものが多いので、手数料をしっかり比較する必要があるでしょうね。

リスクのないところに収益はありません。自身が許容できるリスク、つまりはいくらまでならば損をしてもかまわないかを見極めた資産形成を行う必要があるでしょう。」

飯田泰之(いいだ・やすゆき)エコノミスト/明治大学政治経済学部准教授
1975年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。駒澤大学准教授を経て現職。㈱シノドスマネージング・ディレクター、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員。『ゼロから学ぶ経済政策』(角川oneテーマ21)、『世界一わかりやすい経済の教室』(中経の文庫)、『経済学思考の技術』(ダイヤモンド社)など、著書多数。(取材・構成:村上敬、写真撮影:長谷川博一)(『 The 21 online 』2016年9月号より)

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