トイレなど衛生環境の未整備が世界経済にもたらす損失は約22兆円。LIXILグループの調査報告書から、こうした推計が明らかになった。

衛生環境の不備による世界の経済損失は増加している
衛生環境の不備による世界の経済損失は増加している

この調査は、衛生環境の未整備による世界的な経済損失についての分析。LIXILグループが国際NGOのWater Aid、英国に本拠地を置く研究機関Oxford Economicsと連携して実施した。

衛生環境の不備による世界の経済損失は2015年で2229億ドル(約22兆円、1ドル100円で換算)。2010年の1825億ドルより5年間で400億ドル以上の増加となった。

内訳は55%が早期死亡による人的損失。病気による生産性の低下、医療費も含まれる。

損失額が最も大きかったのは、アジア太平洋地域の1723億ドルで、全体の3/4以上を占めた。経済損失額がGDPに占める割合では、上位10カ国が南アジアとサハラ以南アフリカに集中。同報告書では、衛生設備が不足している地域を考慮したイノベーション、政治的優先課題としての取り組み、協働と協調が必要としている。

LIXILグループは、世界の貧困地域で必要とされる安価で効果的な衛生ソリューションを開発し、2020年までに1億人の衛生環境を改善することを目標に掲げている。瀬戸欣哉社長兼CEOは「衛生設備の不備は、経済的苦境に立つ国々に重い経済負担となっている。さまざまな組織が協力し、衛生問題に対する持続的な投資を行うことが不可欠だ」とコメントしている。(提供: リフォーム産業新聞 2016年10月11日掲載)

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