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(写真=PIXTA)

アメリカのみならず、世界中が驚きに包まれた米大統領選挙。ヒラリー候補が勝利するとの事前予想を裏切り、トランプ大統領が誕生することとなった。この結果を受けて気になるのが、今後の世界経済への影響だ。特に、為替がどのように動くのかは、金融資産を保有する多くの人にとって高い関心事だろう。そこで今回は、米大統領選挙後のポートフォリオについてご紹介しよう。

トランプ氏勝利でもなぜ円安へ動いたのか

今回の大統領選挙では、様々な「予想外」があった。そもそも、万が一トランプ氏が大統領選挙に勝つようなことがあれば、外国為替市場は超円高へ進むと言われていた。トランプ氏はTPP(環太平洋経済連携協定)に反対するなど、保護主義的な姿勢を見せていたためだ。それが、ふたを開けてみれば、選挙の結果が出た直後には、トランプ氏勝利でも1ドル=103円台と円安が進んだ。為替の節目となる1ドル=100円を下回り、90円台中盤の円高も懸念されていた中、これは新大統領の結果とともに市場の驚きとなった。

なぜ、円安方向へ傾いたのだろうか。理由としては、トランプ氏が掲げる大型減税やインフラ投資などの政策が、今のところ好感となっているためと考えられる。さらに選挙後、10月の米小売売上高が市場の予想を上回って改善したことなどを受け、ドル買いが加速した。米連邦準備理事会(FRB)の幹部らが相次いで12月の利上げに前向きな姿勢を見せているとの報道も、追い風となっている。円安・ドル高の流れは今後も続くのか見通しは難しいものの、急激な円安への反動により、当初から予想されていた円高が進行する可能性もあるだろう。