各米大学が発表したMBA新卒生の年収中央値レポートから、2016年度もハーバード・ビジネス・スクール(HBS)が最高値を維持していることが判明した。

今年の中央値は15万8080ドル(約1774万円/前年比4.5%)で、トップ所得層はヘッジファンドなど投資系金融企業に就職した9%が占めている。人気の就職先は今年も金融セクターに集中しているが、テクノロジー企業やスタートアップに未来をたくす卒業生も増えている。

ヘッジファンド就職組が新卒年収トップクラス

11月2日にHBSが公表したデータによると、卒業生935人中、41%が経済・ビジネス、40%がサイエンス、テクノロジー、数学、エンジニアリング、19%が人文・社会科学のMBAを取得した。

金融セクター全体への就職率は28%、コンサルティングが25%と相変わらずの人気ぶりだ。しかしテクノロジー企業への就職率も19%に達し、二大人気セクターを確実に追いあげている。

そのほか将来性が期待されている医療は8%。チャレンジ精神重視の卒業生の間では、設立3年以下のスタートアップも注目株として上昇。昨年の9%にはおよばないものの、今年も7%が就職した。そのうち45%はテクノロジー、21%は金融、19%は医療分野のスタートアップだ。

給与面では、一般的な金融セクターの新卒年収給中央値は15万ドル(約1683万円)、コンサルティング・セクターは14万5000ドル(約1629万円)。金融セクターでは給与以外の報酬が大きく、確実に貰える最低報酬の中央値は3万2000ドル(約360万円)、契約ボーナスは2万5000ドル(約281万円)と報告されている。

トップ所得層の中央値は17万7500ドル(約1994万円)で、契約ボーナスは3万5000ドル(約393万円)、最低報酬は12万5000ドル(約1403万円)にものぼる。

これらに比較するとテクノロジーは12万5000ドル(約1403万円)とやや低めだが、全体的な中央値は過去3年間上昇を続けていることに加え、将来有望な分野のひとつとして重要視されているため、今後給与が飛躍的に伸びる可能性も高い。

HBSに次いで高年収を誇るのは、ペンシルバニア大学ウォートン校(中央値14万6078ドル/約1639万円)、ブース経営学大学院(中央値14万5750ドル/約1631万円)となっている。(ZUU online 編集部)