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(写真=PIXTA)

「イーサリアム(Ethereum)」という仮想通貨をご存じでしょうか。ビットコインに次ぐ時価総額を誇る次世代の仮想通貨であり、開発者や投資家など幅広い層が期待する新しい技術といえます。

ビットコインを超えるともいわれてるイーサリアムですが、開発された経緯を知れば今後の行く末をみることができます。イーサリアムの発展は、仮想通貨の世界が成長していくうえでのカギになりそうです。

イーサリアムはビットコインに代わる仮想通貨か?

2013年12月からオープンソースプロジェクトとして開発が始まり、プラットフォームとして2015年7月に正式リリースされたのがイーサリアムです。

イーサリアムで使われる仮想通貨は「イーサ(Ether、単位はETH)」と呼ばれ、ビットコインに次いで流通しているため、次世代仮想通貨と考えられがちです。しかしながら、イーサリアムは仮想通貨だけではなく、ブロックチェーンの仕組みを使ったさまざまなアプリケーションを動かすための場(プラットフォーム)として開発されました。

ビットコインでは取引金額の数字をブロックとよばれる情報のかたまりで管理し、取引が行われるごとにチェーンのように長く連なって記録されていきます。これに対しイーサリアムでは、「誰が何をどれだけ」といった通常の商取引で必要となる契約そのものを記録できます。株式や不動産、著作物をはじめとする契約取引を記録でき、ビットコインをはるかに上回る可能性を秘めているのがイーサリアムなのです。

イーサリアムの開発資金を調達したクラウドセール

イーサリアムが発展してきた流れで、もう一つ押さえておくべきは「クラウドセール」でしょう。

クラウドセールとは、開発者が独自にトークン(コイン)を発行し、そのコインをビットコイン払いで売りに出すことで開発資金を調達するという、新しい形のクラウドファンディングです。

2014年、イーサリアムはクラウドセールを使って、イーサをビットコインと引き換えに事前販売したところ、実に16億円相当の資金を調達することに成功したのです。

その後、クラウドセールの初期には1イーサ=26円ほどだったものが、1イーサ=1,700円近くまで、実に60倍以上にも高騰しました。2013年のプロジェクト発足からわずかの間に、時価総額1,000億円を超える規模へと成長を遂げたのです。

それまでビットコインに続いていた、ライトコインやリップルを追い抜いてイーサリアムの流通量が2位となり、大躍進が話題になりました。高騰の恩恵を受けた人には、莫大なリターンがあったことも想像できます。

The DAOの流出事件にみるイーサリアムの課題

急成長を続けるイーサリアムですが、2016年6月に事業ファンド「The DAO」がハッキングを受け、集めた巨額のイーサが流出するという事件がありました。この事件でThe DAOは当時の相場で150億円以上に相当する資金のうち約3分の1を消失してしまったそうです。今後、ハッキングへの対策が重要となるでしょう。

イーサリアムのようなブロックチェーンが課題を克服し、さらに発展を遂げていくのであれば、あらゆる取引がブロックチェーンで行われる日が来るかもしれません。(提供: IFAオンライン

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