インターネットの普及によりメール時代となった近年、手紙を書く機会が著しく減ったという人が多いだろう。しかし直筆には書き手の人柄や体温が伝わってくるような独特の温かみがあり、著名人となればそれ相当の価値をもって評価される。すでに故人となっていればなおさら価値はあがる。
実際にどれほどの金銭的価値があるものなのか、欧米メディアに掲載された近年のオークション結果を参考に、下記のランキングにまとめてみた。
史上最高額で競り落とされた「直筆」は英科学者、フランシス・クリック博士が寄宿舎にいる12歳の息子に宛てた手紙で、その価格はなんと7億円。この手紙に桁違いの価値を与えたのは、後に米科学者、ジェームズ・ワトソン博士とともにノーベル生理学・医学賞を受賞することとなった、DNAの二重螺旋構造を発見したことについて書かれている点だ。
「直筆」の価値の大きさが伝わる一例を挙げると、2013年にマーキュリー氏のロールスロイスはが7万4000ポンド(約1063万円)で落札されたが、その3年後には直筆で歌詞を書きこんだ1冊のノートが898万円で売れた。ロールスロイスとノートの差額がわずか165万円というと違和感があるが、これぞ直筆が世間を魅了するパワーといったところだろう。
ほかにも昨年、オードリー・ヘプバーン氏の手紙10通分が1万1250ポンド(約162万円)で、今年にはいってからはウェールズ公妃ダイアナの手紙6通分が1万5100ポンド(約217万円)で落札され話題を呼んだ。