国内外で活躍する気鋭のジュエリーブランドが一堂に会する展示販売会「New Jewelry 2016」が、3331 Arts Chiyodaで開催されました。手工芸性にこだわる個性豊かな72のブランドがラインナップするなか、注目の日本人クリエイターによる6ブランドを2回に渡ってご紹介します。
今回はパール、陶器、ガラスを使った個性豊かな3ブランドを。
① Korat works (コラットワークス)
美しい手仕事がパールの新たな魅力を生む
一般的にはキズが少なく、より真円に近いほど美しいとされているパール。そんなこれまでの常識を軽やかに覆すのが、「身に着けても、ジュエリーボックスに飾っても楽しめる」をコンセプトに掲げるKorat Works(コラットワークス)のジュエリーです。
デッサンを描くようにパールの表面に絵柄を彫り、漆を埋め込んでモチーフを浮かび上がらせる。デザイナーの長谷川綾さんがイタリアで学んだ「洋彫り」の技と、輪島塗の装飾にも用いられる伝統的な「沈金」の技法を駆使したジュエリーは、実に繊細かつ華やか。一粒のパールに、日本とイタリアの伝統技術が凝縮されています。
小鳥や花などの身近なモチーフやシックな幾何学柄など、“その日の気分で”好きな絵柄を片耳ずつチョイスできるのが「Today’s mood」のピアス。ひとつひとつ手作業で彫っているので、同じ絵柄でも2つとして同じ物はありません。様々な絵柄が揃い、ひとつずつコレクションしていくのも楽しみです。
「Uwajima pearl」は、愛媛県宇和島産のアコヤパールを使ったコレクション。あえて市場ではほとんど出回らない、大きさや形が不揃いな未加工のパールを選び、その自然なフォルムや色を活かして絵柄を決めるので全てが一点物。上質な国産の素材にこだわり、絵付けに使う漆も長谷川さんの故郷、岩手県二戸市浄法寺町の稀少な浄法寺漆を使用しています。
■お問い合わせ
Korat Works
http://www.korat-works.net/
② arie:chroma (アリエ・クロマ)
ポップなモチーフに心躍る、陶器のジュエリー
鮮やかな色彩に、あたたかみのある質感、そしてさり気ないユーモアのセンス。一度見たら忘れられないインパクトを放つarie:chroma(アリエ・クロマ)のジュエリーは、陶器で作られています。
「陶器には偶然性がつきもの。経験によってある程度予測することはできますが、その日の気候や釉薬の流れなどで、ひとつひとつ微妙に表情が変わり、毎回同じ物はできないのが面白いところです。だからこそ、狙った通りにできると喜びも大きいですね」。そう語るのは、京都を拠点に活動するデザイナーの岡野真理絵さん。
「色の鮮やかさ」や「彩度」という意味を持つブランド名の「chroma」には、「見た人がはっとするようなカラフルで楽しいアクセサリーを」という岡野さんの思いが込められ、デザインの発案から制作まで全て自身で手がけています。
数ある中でもユニークなのが、牡蠣をモチーフにしたブローチ「Mr.&Mrs.oyster」。ぽってりとしたフォルムや、つるんとみずみずしい質感、輪郭を縁取る黒いひだの滲んだ感じまで本物さながら! 殻のないむき身が「Mr.oyster」、白いフリルを纏ったような殻付きのものが「Mrs.oyster」。大きさはそれぞれ3種類で、パールをあしらったものも。
カラフルな「Bijoux Ring」は、岡野さんが幼い頃に憧れていた祖母のリングにインスパイアされたシリーズ。陶器で作られた色とりどりの宝石が、大人になった少女の指を鮮やかに彩ります。
人魚や宝石、三つ編みやフリルなど、“女の子が幼い頃に憧れるもの”をテーマにデザインしたアルファベットのブローチ。自分のイニシャルはもちろん、好きなモチーフから選んでみるのも楽しそう。
■お問い合わせ
arie:chroma
http://ariechroma.com
③ _cthruit (シースルーイット)
ガラスの描く繊細なシルエットと光を纏う
「ガラスを纏うことは光を纏うこと」。_cthruit(シースルーイット)のブランドコンセプトは、こんな印象的な言葉から始まります。ブランド名の由来は「see through it」=「見通す」。
デザイナーの梅田香奈さんが作るのは、無色透明でミニマムなガラスのジュエリー。儚げできらきらと美しく、それでいて凛とした強さを秘めた作品は、身に着ける人にそっと光を纏わせ、さり気なく個性を引き出します。
透明なガラスの輪郭を眺めるうちに、だんだんと実際には見えないはずの「面」が見えてきたり、そうかと思えば自分が何を見ているのかわからなくなってきたり……。
そんな不思議な感覚を得られるのも面白いところ。もはやジュエリーの枠を超えた、身に着けられるアートです。
「captured bracelet」は、人間の体内はもちろん自然界のどこにでも存在する水と塩を、それぞれガラスのブレスレットにとじ込めたユニークな作品。
2色のガラスの輪が複雑に絡み合う「scarf necklace」は圧倒的な存在感。「輪が連なることによって現れる波のような渦のような揺らぎ。それが生む光の乱反射によって、常に小さくきらきらと光ります」と梅田さん。フックの位置を付け替えることで、長さやフォルムが変わり、多彩な表情が楽しめます。
細いガラスの棒を組み合わせた「triangle,square earrings」は、幾何学的な模様の奥行きと立体感、それがピアスとして宙に浮かんだ時の不思議さを楽しむシリーズ。驚くほど軽いので、着けていることを忘れてしまいそう。
■お問い合わせ
_cthruit
http://www.cthruit.com/
素材の個性を生かした、注目のクリエイターによる素敵なジュエリーはいかがだったでしょうか?大切な人へのプレゼントや自分へのご褒美に是非おすすめです。
次回も、個性豊かで華やかなジュエリーをご紹介します。お楽しみに!
文/大塚綾子(提供: プレミアムジャパン )
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