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(写真=PIXTA)

中国の恋愛市場は急成長を続け、2016年の婚恋機構(出会い系ネットサイトなど)の登録者は6億人規模に達した、という特集記事が地方紙に掲載された。

独身者の激増は、家族中心の中国社会を変えてしまうのか。春節(1月27日)を前にもう一度考え直してみようという趣旨のようだ。以下最新の婚活現場を探ってみよう。

最近5年間の数値変化

ここ5年間における変化のスピードはすさまじい。データを分析すると、2010年から2015年までの間に30才以上の未婚女性比率は2.47%上昇している。そして中国の単身者人口は2億人を突破したと思われる。山東省・青島市の調査によると、市の62%の独身男性と65%の独身女性が両親や周囲から、早く結婚をという“頻繁”なプレッシャーにさらされている。

ただし男女の受けるプレッシャーは違う。その差は登録者数に現れている。某出会い系サイトの男女比は2対8で、10人の会員中男性は2人しかいない。一般的には男4、女6である。また30歳を過ぎると女性会員が急増する。これに対して男性会員の変化はわずかである。

2016年、中国の婚恋機構(出会い系サイト)トップ3の登録者数はそれぞれ、1億9800万人、1億4000万人、9000万人である。全サイトを合計すると6億人、売上は30億元(480億円)になる。これは2010年の6000万人、6億元のそれぞれ10倍と5倍に当たる。ただしこの中には60歳以上の再婚希望層も含まれている。

春節は出会い系サイトのかき入れ時

出会い系サイトは不断の競争にさらされている。例えば顧客の主要端末はパソコンからスマホに変りつつある。SNSの影響が強まり顧客はSNSサービスに一定程度流れている。競争激化により大手サイトの宣伝広告は激しさを増すばかりだ。

春節を間近に控え、父母の結婚催促に悩まされる山東省に住む独身女性Kさんは、業界中堅のサイトに登録した。30歳を迎えたことはやはり大きな転機に思えた。何しろ家族の彼女に対する態度はまるで“罪人”扱いである。

経済の停滞など外部情勢にはかかわりなく、春節は婚恋機構にとってのゴールデンタイムである。春節と中秋節は最も“外界”からの結婚圧力が高まり、新規登録会員数は増加する。特に有職の女性を取り込む草刈り場となる。

各機構は公共交通機関広告からネット広告までここぞとばかり広告を打つ。2014年の春節で大手出会い系サイト「百合網」は広告に“剰女”(余った女)“催婚”(催促されて結婚)などの刺激的な言葉を使い、大衆から猛批判を浴びた。その結果最近の広告は、若者よ結婚を恐れる必要はない。結婚を拒絶することはない、などと結婚を目標にしよう、という傾向に変わって来ている。

また各機構では日本で言う「街コン」も開催している。規模は大きく広東省・東莞市では1万人大会が行われた。香港とマカオから3217名の参加者を誘引し、200組のカップル成立に成功した。

少子高齢化は近い

山東省のKさんは次のように考えている。「サイトに登録しておけば父母は安心するだろう。私は決して結婚を拒絶したりはしない。ただしそのことを人生唯一の目標にしたくはない。」

こうした若者を覆う気分は、日本を含む先進諸国とほとんど変わらない。急速な変化には驚くばかりある。今まで中国では男女比のアンバランス(2014年末で3376万人男性が多い)による女性不足が指摘されていた。しかしそれだけではなさそうだ。女性は30歳を意識するまで積極的な婚活には入らないし、結婚は人生の目標でもなくなっている。1人っ子政策は廃止されたとはいえ、結婚数が伸びなければ、近い将来は少子高齢化である。中国は社会構成から先に先進国化しそうである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)