個人投資家の株の売りが止まらない。海外投資家はトランプ次期大統領が決まった16年11月以降、日本株を大幅に買い越した。一方で、個人投資家は、海外投資家の買いを上回る株の売りをぶつけてきた。その売却資金の多くはいまだに待機しているようだ。個人資金は、次はどこへ向かうのだろうか。
個人は11月以降2.7兆円の株式売り越し
16年11月8日にトランプ氏が米大統領選に勝利すると、インフラ投資増、大幅減税などの景気刺激策(通称トランポノミクス)を推し進めるとの期待感が高まった。財源として国債の増発が見込まれることから、機関投資家による債券売り・株式買いのトランプトレードが世界的に進められた。
日本株の上げを主導したのも海外投資家の買いだ。11月から12月の2ヶ月間で、東証一・二部の株を約2.0兆円も買い越した。NYダウは史上最高値を更新、日経平均も、大統領選後20%を超す上昇で19600円台まで上げ、年初来高値を更新した。
一方、個人投資家は、同期間で約2.7兆円の売り越しになった。個人は逆張りの傾向が強いとは言え、個人の売り圧力の強さは話題となった。