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見通し・戦略
Written by 平田和生 164記事

2万1000円がメインシナリオ

2017年3月末までに日経平均株価はどう動く?

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(写真=PIXTA)

2016年の株式市場は、11月8日の米大統領選でトランプ氏の勝利から一転した。トランプ次期大統領のリフレ政策を期待して、世界主要国で長期債が売られ金利は急騰、一方株式市場には資金が流入しNYダウは史上最高値を更新した。金融市場のリスクオンの流れから急激な円安が進行したこともあり、日経平均は急伸してきた。注目の日経平均株価の17年3月末までの動向を予想してみよう。

17年3月末は2万1000円がメインシナリオ

17年3月末までに2万1000円を付けるというのがメインシナリオを考える。トランポノミクスによる世界景気の上昇、グレート・ローテーションの進行、日本企業の業績の上方修正がそのドライバーになると見ている。ドル円は120円を想定している。

グレート・ローテーションは続くのか?

3月末までの株式市場の需給関係を見る上で最大の焦点は、大手機関投資家の「グレート・ローテーション」が続くかどうかだ。グレート・ローテーションとは、資金運用にて「債券(安全資産)」から「株(リスク資産)」へとポジションシフトがおこなわれることを指す。

米10年債利回りを超長期チャートの大きなトレンドで見ると、1950年代に2%台だった長期債利回りは80年代前半に過去最高の14%台を付けるまで約30年上げ続けた。80年代後半から、「株」から「債券」へのシフトが始まった。長期金利のトレンドは一貫して下落、16年7月に1.3%台と過去最低をつけるまで約30年間債券利回りは下げ続けた。債券が買われる大きなトレンドが約30年続いていたのだ。

今年7月の長期金利1.3%を底に、トランプ・トレードで長期債利回りは一時2.6%まで急騰した。いよいよ30年の債券市場の上げトレンドが終焉したとの見方が出てきている。これが「グレート・ローテーション」論だ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、トランプ勝利後の1週間(11月16日までの週)に株式市場に流入した投資資金は280億ドル(約3.3兆円)と2年ぶりの高水準となり、債券からの流出額は180億ドル(約2.1兆円)と3年半ぶりの金額に達した。債券と株の資金フローにこれほどの差が生まれた例は過去に見当たらなかったようだ。

日本市場においても、トランプ・トレードで外国人投資家が日本株を買い始めた。日本市場では外国人投資家は保有シェアで約30%を超え、売買シェアで約70%となっている。外国人投資家動向が日本株の方向性を決めると言っていいほどのインパクトがある。

アベノミクス後の13年の株高は外国人投資家が約15兆円も日本株を買ったことが牽引役だった。外国人投資家は14年には約8500億円の買い越しに減り、15年には約3200億円の売り越しに転じていた。16年は9月までで約6兆円も売り越していたが、トランプ氏の勝利後、外国人投資家は6週連続の買い越しとなり、約2兆円買い越している。外国人投資家が日本株に再び舵を切り始めたとの見方が強くなってきている。

外国人投資家は、16年は6兆円売り越し後の2兆円買いなのでまだ4兆円の売り越し。米国の株価が史上最高値、欧州は17年に国政選挙が主要国で相次ぐため、欧米の株の配分比率は上げづらい。日本株のポジションを上げる余地はまだまだありそうだ。

円安トレンドが続くなら17年3月期は増益に転じる

円安効果もあって日本企業の業績回復も株価を牽引する。日経企業のリビジョンインデックス(上方修正の会社数ー下方修正の会社数の割合)は16年3月期を底に上がり始めた。企業業績のモメンタムは底を打ち上がり始めたと言うことだ。

17年3月期の日本企業の業績は会社予想ベースではまだ若干ながらも減益予想。これが増益に転じることが株価上昇の起爆剤になり得る。 現在の日経平均の一株あたりの利益(EPS)は約1182円。日経平均が19500円のPERは16.5倍だ。過去の日経平均のPERは長期で言うと15倍から20倍の中に収まることが多く、アベノミクス以降は14倍から16倍に収まっていることが多い。現状のEPSによるPER16.5倍は割高感も出てきた。

MUMS証券が12月12日に作成したレポートでは、ドル円レートが114円になった場合は、17年3月期のEPSは102円だった場合の1138円、1.6%減益から、1263円、9.3%増益に転じるとしている。

EPS1263円のPER16倍は2万200円。業績の上方修正モメンタムがあるときはPERの上昇は株価に先行する。たとえば2013年上期など18倍程度まで買われることもあった。18倍なら2万2700円。日本企業が増益になるならば17年の高値は2万2000円まで上げても違和感はない。

テールリスクがあり得るイベントには注意

外国人投資家動向と為替の動きを占う上で大切なのは、1月20日のトランプ大統領就任式以降の具体的な政策がどうなるか。特に法人減税とレパトリ減税の行方が大事だ。

主要国の金融政策も大切だ。16年末の米FRBの利上げに次いで、欧州、日本がリーマン・ショック後の量的質的金融緩和を続けるかどうか、いわゆるテーパリング(金融緩和縮小)の時期も焦点だ。日銀は昨年9月の決定会合で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を決めた。これは明らかに、テーパリングを意識してソフトランディングを目指したものだろう。

さらに、欧州政治動向がリスク要因だ。17年は、オランダ(3月)、フランス(4-6月)、ドイツ(8月ー10月頃)など欧州の主要国で国政選挙や大統領選等が行われる。この結果が、BREXITやトランプ氏勝利と同じように、ポピュリズム、保護貿易化の流れにつながるならば市場は混乱する可能性が高い。欧州を中心にテロの動きも収まっていない。また、イタリアの総選挙の時期は太め位だが、2017年にも前倒しで行われる可能性は考えおきたい。

12月にトルコやベルリン、ヨルダンなどでテロがあった。トランプ・トレードで賑わっていたため株式市場の反応は限定的だった。ただ、地政学リスクも相場の流れを変えることになり得るので注意せざるを得ないだろう。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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2017年3月末までに日経平均株価はどう動く?
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