ドル円予想レンジ 112.30-116.80
「over the next two or three weeks that will be phenomenal in terms of tax and developing our aviation infrastructure(2、3週間以内に税、および航空インフラ開発に関して、目を見張るような発表を行う)」-。
これは2/9深夜に報じられたトランプ米大統領の発言だ。無論、詳細には踏み込んではいない。但し、ドルは対主要通貨で急騰反応を示した。
今後数週間に税制改革に関する抜本的な提案を明らかにする考えを示したことで、2005年ブッシュ政権時の時限立法「HIA本国投資法」の再現を想起させた。同法は、米多国籍企業の海外留保資金を米国内に送金すれば税負担低減となったことから、レパトリ(資金の母国回帰≒ドル買い)を促したのだ。
日米首脳会談後の円
2/11未明の日米首脳会談はトランプ政治手法“ディール(取引)”と安倍首相の“腹芸“がぶつかりあうことなろう。しかし会談後は肝胆相照らしての信頼関係と同盟関係が強化される、と期待したい。その結果、日銀の長短金利操作付き量的緩和を通じた円金利上昇の抑制が継続し、米インフラ投資への協力を強めれば、円買いインセンティブ低下の形成に繋がると読んでいる。
半期に1度の議会証言「2・14」
イエレン議長は2/14午前10時(日本時間2/15午前0時)から、上院銀行委で金融政策に関する半期に一度の証言を行う。1/20のトランプ政権誕生後に取り沙汰される各情勢を踏まえて、今後の金融政策が語られる場面だ。注目ポイントは1点。トランプ施策でのインフラ投資・歳出拡大路線はインフレリスクを高める、とした従前の見解を繰り返すか、である。
トランプ大統領は候補者当時に、FRBの利上げを快く思っていない発言を繰り返していたが、最近はすっかり鳴りを潜めている。となれば、利上げ方針、意志の再表明だけでも、マーケットは“イエレン・バレンタインデー証言”として告白に浮かれる場面に繋がりそうだ。年3回の利上げを示唆する発言が出れば6月FOMCでの利上げ見通しを高め、円は対ドルで一段の下落を強めるのではないか。
2/13週のドル円売買ポイント
上値焦点は1/31-2/1高値圏114.00、1/20、27高値圏115.40。超えれば日足一目均衡雲上限116.00-30が推考され1/11高値116.88を期待視。下値焦点は2/9深夜の上昇帯112.30-80、113円台の維持。最終拠点は2/6-9安値圏111.57-62-72-81と推考。
武部力也
岡三オンライン証券
投資情報部長兼シニアストラテジスト