人気店となれば全国からファンが押し寄せ、数時間待ちも当たり前となったラーメンブームは、今や日本国内だけにとどまらない。
ニューヨークやロンドン、パリなどの国際都市でも、今や日本食と言えばラーメンというほど存在感を増している。町の小さなラーメン屋からスタートした事業者でも、全国に店舗網を拡大して一企業として外食産業で頭角を現すケースもある。
自分が注目している企業のラーメン屋さんが株式上場していれば、その会社の株式を保有することで企業の成長も享受することができる。ここでは、ラーメン好きのために、上場しているラーメン関連銘柄をピックアップしてご紹介しよう。
ラーメン関連銘柄5選
○幸楽苑 <7554>
1954年に福島県会津若松市で、従業員3人でスタートした食堂が起源の幸楽苑。雨漏りがしていたという店内で提供されたラーメンは、35円(当時)だった。地方の食堂から駆け出した幸楽苑は、中華そば290円という低価格路線でデフレの波に乗り、国内で527の直営店舗(2018年3月期第3四半期決算時点)を展開するまでの成長を果たした。
看板メニューだった中華そばは姿を消したが、2012年にはバンコクへの進出を皮切りに海外戦略を進める。17年3月期の連結売上高は375億9400万円を見込み、将来的には国内1000店舗体制を視野に入れる。
○ハイデイ日高 <7611>
1973年に小さなラーメン屋からスタートしたのがハイデイ日高の運営する日高屋。今となっては時代の潮流でもあるラーメン屋のチェーン展開だが、当時はまだそれほど一般的ではなかった。そんな中、早くから駅前の一等地へ進出し、成長を成し遂げてきたのが日高屋だ。全国すべての店舗で均一の商品とサービスを提供するため、直営店方式を採用。
集客の見込める駅前繁華街を出店エリアのメインターゲットにし、客の回転率を効率化して収益を確保する戦略だ。また、中華そば390円など低価格帯の商品を充実させている。直営店舗数は396店舗(2016年11月末時点)に上り、首都圏で600店舗体制に向けて出店攻勢をかける。2017年2月期の業績予想(非連結)では、売上高を392億円と見込んでいる。
○物語コーポレーション <3097>
注文ごとに1つ1つ手鍋で調理する看板メニュー肉そばを提供する「丸源ラーメン」、キャベツの山盛りをトッピングしたラーメンが支持を集める「二代目丸源」を運営する物語コーポレーション。ラーメンチェーンの他、焼き肉やお好み焼き、寿司、しゃぶしゃぶなどのチェーンもグループ内に抱える。
丸源ラーメンの肉そば(税抜き650円)は、柔らかい豚肉をスープで炊き込み、醤油ベースのスープで楽しむ一杯で、使用する醤油は産地の異なる3種類をブレンドするこだわり。ラーメン店は直営、フランチャイズチェーンを合わせて113店舗(2017年6月期第1四半期時点)に上り、16年6月期のラーメン部門の売上高は47億700万円。
○JBイレブン <3066>
名証2部に上場するJBイレブンは、東海地方を中心に関東、関西、中国地方の一部にラーメン店「一刻魁堂」と「一刻魁堂/真一刻」を展開する。
一押しのメニューとして紹介されている「一刻しょうゆ」は、鶏骨と豚骨に野菜などを加えて煮込んだスープと返しの醤油を合わせ、深みのあるコクが広がりながら、あっさりとした食べごたえで、背油の量を客の好みで調整できるようになっているのが特徴だ。2017年3月期第2四半期決算時点で56店舗を運営し、2017年3月期の連結決算では売上高66億5700万円を見込む。
○丸千代山岡家 <3399>
JASDAQに上場する丸千代山岡家は、1988年に茨城県牛久市でラーメン作りに乗り出し、1993年に会社設立、「ラーメン山岡家」を運営する。4日間じっくりと豚骨を煮込んだスープが極太ストレート麺にしっかりと絡み、濃厚な味わいを楽しめる。また、毎日継ぎ足した秘伝のタレに付け込んで仕上げたチャーシューも本格的な味わいだ。
さらに、レギュラーメニューの豊富さも特徴で、29種類のラーメンが常時並び、リピーターからも支持を集める。底堅い人気に支えられて店舗数も順調に拡大し、2017年1月期第3四半期時点で147店舗を展開。2017年1月期非連結の業績予想では売上高を112億9300万円と予想。
一杯数百円のラーメンといえど、全国規模で展開するチェーン店ともなれば、その売上は数百億にも上り、ブームを受けたラーメン店の存在感は飲食業界でますます高まっている。
「一風堂」展開の力の源ホールディングスも上場か?
さらに、話題を集めそうなのが、海外でも人気の博多ラーメン「一風堂」を展開する力の源ホールディングスで、17年3月にも東京証券取引所に株式を上場する見通しだ。もはや一過性のブームではなく、当面ラーメン業界から目が離せそうにない。(ZUU online 編集部)