宝クジ付き銀行預金
(写真=PIXTA)

超低金利が続く中、普通預金より金利が高い定期預金でも都市銀行の場合0.01%程度と100万円を1年預けても税引前で100円の利息しかもらえない。そんな中、山口銀行の定期預金で「10億円の宝くじが当たった」との報道があり「宝くじ付き定期預金」が注目を集めている 。はたして宝くじ付き定期預金とはどのようなものなのだろうか。

宝くじ付き定期預金のしくみ

宝くじ付き定期預金は、金利の他に一定の時期に預入金額に応じて宝くじが割り振られるという商品だ。

一部の金融機関では宝くじが実際に交付されるが、多くの金融機関では「保護預り」として番号だけが通知される仕組みになっている。保護預りの場合、宝くじに当選すると、当該金融機関が換金して本人の口座に振り込まれることになる。その際、多くの人はすぐに使う予定もないだろうから、その金融機関に預けることになり、結果的に金融機関にとってもメリットになる。いわゆる「Win-Win」の関係になる。

宝くじ付き定期預金の魅力

宝くじ付き定期預金の魅力は何と言っても宝くじに当選して多額の現金を手にする可能性があるということだ。冒頭で述べたように、今は「雀の涙」のような利息しか得られない時代なので、少しでも夢を見たいという人にはお勧めだ。また、宝くじの多くは10枚連番で買えば最低300円は貰えるので、通常の利息に300円を加算して実質金利と捉えることができる。

ただ、宝くじ付き定期預金の金利は、ネット銀行などの定期預金に比べると低く抑えられているので、最低額の宝くじの換金分を含めても利息の面では勝てない場合がある。それでも、宝くじ付きでない定期預金は現時点では高いところでも「0.2%」程度なので、100万円を預けて1年で2000円というレベルである。それなら、何億円という夢を持った方が楽しいと考えて選択しても良いだろう。

宝くじ付き定期預金の選び方

宝くじ付き定期預金の選び方としては、まず、最低預入額と最低預入期間を確認する。宝くじ付き定期預金は最低預け入れ金額が数百万円と比較的高額な商品なので、預入金額が高くて始められなければ元も子もないからだ。また、預入期間は条件が同じであれば短いほど資金の流動性が高くなるので有利といえる。

次に、預入金額に対してどれ位の宝くじが割り当てられるかが重要である。例えば、100万円に対して1年で10枚が配布されるのであれば、宝くじ1枚を300円と考えると、(300円×10枚)÷100万円=0.3%の配布率になるので、その率が高いほど有利ということになる。

最後に金利であるが、これはあまり気にする必要はない。元々金利に期待する商品ではなく、金利を求めるのであれば他のネット専業銀行の定期預金を選ぶべきだからだ。これらの基準で選んだのが次の5商品である。

(1)スルガ銀行
商品名:ジャンボ宝くじ付き定期預金
最低預入金額:100万円
最低預入期間:3年
貰える枚数:10枚(1年)
預金金利:0.01%
調査時点:(2017年2月28日)

(2)大阪シティ信用金庫
商品名:宝くじつき定期預金 「 夢ジャンボ 」
最低預入金額:100万円
最低預入期間:1年
貰える枚数:10枚(1年)
預金金利:0.06%
調査時点:(2017年2月28日)

(3)静岡銀行
商品名:宝くじ付き定期預金
最低預入金額:150万円
最低預入期間:3年
貰える枚数:15枚(1年)
預金金利:0.01%
調査時点:(2017年2月28日)

(4)北九州銀行
商品名:きたきゅう宝くじ付定期預金
最低預入金額:100万円
最低預入期間:3年
貰える枚数:5枚
預金金利:0.025%
調査時点:(2017年2月28日)

(5)芝信用金庫
商品名:しばしんジャンボ宝くじ付き定期預金
最低預入金額:100万円
最低預入期間:1年
貰える枚数:5枚
預金金利:0.01%
調査時点:(2017年2月28日)

スルガ銀行は、宝くじの配布率が高く、「日本一」といわれる人気の宝くじ売場「西銀座デパートチャンスセンター」で、全ての宝くじを購入しているのもまた夢が膨らむ。ここで宝くじを買うためには長蛇の列に並ばなければならないので、験を担ぐ人にとってはそれだけでも価値がある。

スルガ銀行と芝信用金庫は、宝くじの現物を配布している数少ない金融機関なので宝くじの楽しみを実感できる点がよい。

大阪シティ信用金庫は、宝くじ付き定期預金であるのに金利が高いという点が魅力だ。最低預入金額も100万円と低く、最低預入金も1年と短いので気軽に始めやすい。とりあえず始めたいという人はこの商品がお勧めだ。

静岡銀行は、最低預入金額は150万円と特別安いわけではないが、宝くじがドリームジャンボ5枚、サマージャンボ5枚、年末ジャンボ5枚とバランス良く配布され、宝くじを楽しむという意味では魅力のある商品だ。

宝くじ付き定期預金は、宝くじが大好きという人はもちろん、普段は宝くじを買わないという人でも、一時的に夢を見られて楽しい商品といえる。実際、億単位のお金を手にした人もおり、お金を預けてそのようなチャンスが得られるならばわずかの利息をもらうよりもよいのではないだろうか。(ZUU online 編集部)