製薬大手ファイザーが、食物などに起因するアレルギー症状アナフィラキシーの治療補助剤「エピペン注射液0.3mg」(日本薬局方 アドレナリン注射液)に作動不良の可能性があるとして、一部製品の自主回収を発表した。発表時点では国内での不具合は確認されていない。
アドレナリン自己注射器「エピペン」とは
アナフィラキシーはアレルギー原因となる「アレルゲン」が体内に入ってきたことに反応して、免疫物質である「IGE抗体」が過剰に生成されることが原因。動悸や吐き気といったものから、場合によっては血圧の低下や意識障害など、命の危険があるアナフィラキシーショックと呼ばれる状態に陥ることもある(ファイザーWebサイトより)。
最も多いのは卵や牛乳、小麦といったものを原因とする食物性のものだが、薬品性のものや、クラゲや蜂による刺傷、ダニやハムスターに噛まれたことで症状が出ることもある。
数分から数十分という極めて短時間のうちに症状が出るのが特徴で、進行の遅い食物性のアナフィラキシーでも、30分ほどで心停止に落ち入る可能性があるという。
「エピペン」はこのアナフィラキシーの症状が出た際に使われるアドレナリン自己注射器で、アナフィラキシーの症状があらわれた際に、患者自身や家族らの手によってアドレナリンを注射して、症状を一時的に緩和するために使われている。