選挙が相次ぐ欧州政界の動向を占うオランダ下院選挙(定数150)は、ルッテ首相率いる中道右派の自由民主党(VVD)が第1党の地位を死守した。台風の目となったウィルダース氏の極右政党、自由党(PVV)は伸び悩んだ。ルッテ氏は「民主主義の勝利」を宣言し、ドイツ、フランスなど現政権も安堵した。

ルッテ氏が「民主主義の祝日」と勝利宣言

「今日は民主主義の祝日だ。間違ったポピュリズム(大衆迎合主義)を食い止めた」

ルッテ氏は早々にこう勝利宣言した。開票率95%の時点でVVDが33議席を獲得して、前回選挙の41議席から減らしたものの第一党を維持した。

PVVは15議席から20議席へと議席を伸ばしたが、二番手にとどまった。三番手は中道系のキリスト教民主勢力と民主66のそれぞれ19議席だった。

ドイツのメルケル首相やトゥスク欧州連合(EU)理事会議長らが相次いで、選挙結果を歓迎した。VVDの勝利は、有権者が右傾化を憂慮した結果であると分析され、それを支えた投票率は過去最高の80%前後と高率だった。

オランダがポピュリズムを食い止めたかっこうだ。第一党に届かなかったウィルダース氏は敗北を認めたが、与党連立入りを主張している。連立与党だった労働党は、30議席近く失う歴史的敗北を喫し、少数党に陥落した。中道勢力など多くの政党がPVVを避けており、ルッテ氏は、今後の連立政権づくりの交渉が難しくなりそうだ

Twitter駆使した選挙作戦も実らず