世界初のAPIバンキング・プラットフォームを開発した独スタートアップ、ソラリスバンク(SolarisBank)が、SBIインベストメントと英金融ソリューション会社Arvatoの出資をうけ、アジア進出を果たすと発表した。

欧米では銀行とAPIサービスの接続が徐々に浸透し始めており、今後アジア地域にも同様の動きが広がると期待されている。


設立1年で32億円の資金を調達したソラリスバンクとは?

2016年にベルリンで設立されたばかりのソラリスは、銀行口座、電子マネー、決済、クレジットカード、融資を含むAPIプラットフォームを運営している。企業顧客はソラリスのプラットフォームをとおし、消費者にバンキングサービスを提供できることが可能だ。

ソラリスは資金調達ラウンドでSBIやArvatoという国際大手から、総額2630万ユーロ(約31億5301万円)を獲得。本国ではすでに銀行業務許可も取得している。

元ドイツ銀行でプロジェクト・マネージャーやCOOを務めたマルコ・ウェンティン氏が共同設立者であるほか、ドイツ銀行から独オンラインバンク、DABバンクを立ちあげたローランド・フォルズ氏をCEOに迎えるなど、一流の金融専門家が勢ぞろい。「期待」という枠組みだけに収まりきれない実力派スタートアップだ。将来的には世界全地域へのサービス提供を目指している。

一方出資を行ったSBIはFinTech事業への投資を拡大しており、2015年には300億円を投じて「FinTechファンド」を設立。昨年10月にはアジア地域におけるブロックチェーン決済基盤構築を目的とした「SBI Ripple Asia」も立ち上げた。

新たな事業チャンスをアジアに賭ける欧米スタートアップ、欧米スタートアップに秘められた可能性を見いだすアジア企業ーーFinTechは産業間の壁だけではなく、国境を越えた新たな事業環境を創りだしている。( FinTech online編集部

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