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小型高級車の共同生産へ

ルノー・日産アライアンスとダイムラーAGはメキシコにおいて、プレミアムコンパクトカーの共同開発並びに共同生産を拡大することになりました。6月27日に、ルノー・日産アライアンスの会長兼CEOのカルロス・ゴーン氏とダイムラーAG取締役会長兼メルセデス・ベンツ会長のディーター・ツェッチェ氏が、両社折半で合資会社を設立することを合意したと発表したことで明らかになりました。新工場が建設されるのは、メキシコ中北部のアグアスカリエンテスで、同地で既に稼働している日産の工場に隣接して建設されます。この工場が本格的に稼働すれば、年間30万台を生産する能力があるとされています。両社にとって2010年の提携開始以来、初めての高級車の共同開発・生産となり、注目されています。


日産とダイムラーの思惑

この合資会社を設立する背景として、両社には課題がありました。日産自動車にとっては北米での高級車事業の強化であり、ダイムラーにとっては小型車の増産です。この両社の課題を同時に解決する策として、メキシコでの共同開発並びに生産を行い、スケールメリットによるコスト削減を実現することが可能だという結論に至ったようです。日産は既にアグアスカリエンテスに工場を持っていますが、ダイムラーにとってもメキシコは、既に市場としては重要な地位となっていました。サンティアゴ・ティアンギステンコとガルシアにはトラックやバスの生産工場があり、サン・ルイス・ポトシには物流センターがあります。トルーカには組み立て工場もあるからです。この両社の思惑により、小型高級車の共同開発・生産を行う事が合意されたのです。同工場では、2017年には日産の高級ブランド「インフィニティ」として小型車の生産を開始し、2018年にはダイムラーの「メルセデス・ベンツ」の生産にも着手する予定です。


日産とダイムラーの関係深化

ルノー・日産アライアンスとダイムラーの提携関係は2010年以来、拡大してきました。2013年には商用車やエンジンの相互供給が行われています。2014年に入ると、日産の高級セダンである「スカイライン」に、ダイムラー製のエンジンが搭載されました。2014年の6月26日からは、米国テネシー州のデカード新工場で、エンジンの共同生産が開始されています。生産された2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、日産のインフィニティQ50(日本ではスカイライン)と、ダイムラーの新型メルセデス・ベンツCクラスに搭載されます。この工場ではフル稼働した場合、年間25万機のエンジンが生産される見込みです。

さらに2014年後半には、共同プラットフォームベースとなるルノーの「トウィンゴ」とダイムラーの「スマート」が販売開始の予定です。このように関係を深化させてきた両社ですが、完成車の生産で連携するのは、今回のアグアスカリエンテスでの工場が初めてとなります。アグアスカリエンテスでは研究開発やデザイン、生産までを密接な協力の下に進めることになりますが、完成された車両のデザインや仕様は、両社では全く異なるものになります。