2016年、消費者クレームの多いクルマトップ10がネットニュースサイト「今日頭条」に掲載された。その構成は中国系3車、米国系3車、フランス系3車、日系は1車。10位に日産ティーダがランクインしている。ドイツ系、韓国系はない。また同じ日に2016年米国消費者報告による、米国市場で評判のいい自動車ブランドの記事も掲載されている。まずクレームトップ10を見ていこう。

10位~6位 プジョーが2車種ランクイン

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(写真=PP77LSK/Shutterstock.com)

10位 日産ティーダ

2016年のクレーム66件、年間販売4万320台、販売量に対するクレームは1万台当たり16.37台。主な訴えはエンジンオイルの不具合。整備工場でエンジンオイルを交換しても解決せず、ティ-ダオーナーは予備のエンジンオイルを所持する必要あり。

9位 プジョー3008

クレーム79件、年間販売4万4293台、1万台当たり17.84台。主な訴えは、エンジンとトランスミッションの異常。いずれも車の最重要部分だが工場は無策のまま過ごしていた。その結果エンジンを換装するケースまで発生した。

8位 衆泰T600(国産1.5~2.0LクラスSUV)

クレーム202件、年間販売11万2691台、1万台当たり17,93台、主な訴えは摩耗などタイヤ回りの不具合。

7位 プジョー408

クレーム189件、年間販売10万156台、1万台当たり18,87台、主な訴えはタイヤ。1000キロ走っただけで爆裂したタイヤもあった。

6位 フォードフォーカス

クレーム476件、年間販売22万5924台、1万台当たり21,07台、主な訴えはトランスミッションとエンジン。オイル漏れ、エンジンの異常振動など。

5位~1位、2トップは国産の新技術車

5位 フォードモンデオ

クレーム277件、年間販売10万3274台、1万台当たり26,82台、主な訴えは車内の異臭。第三者検査機関の調査で消音材の素材の問題を指摘されていた。60キロ以上のスピードになると車内に異臭が発生する。

4位 シボレーTRAX(1.4L小型SUV)

クレーム143件、年間販売3万7636台、1万台当たり37.00台、主な訴えはタイヤの異常劣化。大量の亀裂現象が発生した。

3位 シトロエンC4L

クレーム77件、年間販売1万8472台、1万台当たり41.68台、主な訴えはエンジンの異常。販売前のサービスレベルに問題も。

2位 比亜迪秦(国産1.5Lセダン、秦は中国最初の統一王朝名)

クレーム126件、年間販売2万2097台、1万台当たり45.26台、主な訴えは電池の容量不足。このクルマは中国自主開発のハイブリッド車で影響は大きい。

1位 广汽菲亜特-菲翔(国産1.4Lセダン)

クレーム77件、年間販売7618台、1万台当たり101.08台、主な訴えは品質全般、多方面におよんでいる。新開発の1.4Lターボエンジンを搭載しており、全体の熟成度が低い。

信じられる記事か?

これより一足先に2016年の国内自動車リコールランキングが発表されている。それによると中国系の販売数は1052万8600台、販売シェア43.2%を占めながらリコールシェアわずか1.2%である。同じく日系は販売数379万1500台、販売シェア15.6%ながらリコールでは64.9%も占めていた。明らかに不自然な数字である。それでは今回のデータはまっとうなものなのだろうか。

やはりそうは思えない。中国車は2トップを占めたとはいえ、販売量の少ない新技術を採用した車である。10万台以上の量販車は8位の衆泰T600だけである。やはり販売シェアから見てあり得ない少なさだ。10位の日産ティーダにしても「日本代表」として恣意的に載せられた可能性は高い。

一方の米国消費者報告では日系車は14のクラス中、8クラスでトップの評価を収めている。この事実に対する解説記事では、トヨタ・カローラを引き合いに出し、米国の日本車と中国の日本車では明らかに品質が違うと主張している。日本メーカーは中国市場では低劣な商品を販売しているというわけだ。

このように中国の記事は常に何らかの宣伝意図を秘めたものである。あまり正面から反論すれば彼らのペースに乗ってしまう。いちいちそれに踊らされることのないようにしたいものだ。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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