JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOは株主に向けた年次書簡の中で、市場を不安におとしいれている経済危機の懸念はないとの考えを示した。

リーマンショックを機に国際的な規制環境が強化と拡大へ方向転換を遂げ、金融システム自体のリスク耐久性が高まったことから、「TBTF(大き過ぎて破たんさせられない)銀行問題は、基本的に解決された」と非常に前向きだ。

ダイモンCEO「矛盾と不透明性のない、リスクに基づいた資本基準が必須」

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2008年の世界金融危機の際、国民の税金でTBTF銀行が救済されたことは記憶に新しい。TBTFの破たんが引き起こすショックを懸念した、規制当局の判断だった。

しかしダイモンCEOはそれ以降金融規制が世界規模で強化され、透明性の向上などにともない市場環境が整備された現在、「こうした状況が再び繰り返される可能性はない」と確信している。「現在の金融市場であれば、リーマンショックも回避できた」と、現金融市場の耐久性に自信を見せている。

その一方で市場の混乱がけっして解決できる問題ではないことを認め、「矛盾点がなく透明性の高い、簡潔な、よりリスクに基づいた資本基準」の必要性を強調。「規制当局は混乱に立ち向かうだけの権限を銀行に与えるべき」との考えを明らかにした。

米経済に関しては、経済成長の低迷や機会の欠落が多くの米国人の不満の種になっている点に理解を示し、税制が米企業の国際的競争力を低下させ、所得格差を広げると同時に、社会的移動を困難にしていると指摘した。

ダイモンCEOが「なにかがおかしい」と感じている米国の矛盾点は、「首尾一貫性のある包括的と協調性に満ちた政策をもって解決できる」と、新政権の期待とも警告ともとれる意見を述べた。(ZUU online 編集部)

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