増資による資金調達を行っていたドイツ銀行が、目標額としていた80億ユーロ(約9409億9328万円)を調達した。

業績不振、低金利に加え、住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売問題をめぐる罰金72億ドル(約7995億6000万円)の支払いという三重苦にあえいでいたドイツ銀行だが、打開策として今年3月に新株式6億8750万株を1株あたり11.65ユーロ(約1370円)で発行した。

米投資家からの期待に応え、心機一転となるか?

ドイツ銀行,欧州,破たん
(写真=Thinkstock/Getty Images)

不穏な動きが続く欧州大手銀行。「欧州最強の銀行」といわれたドイツ銀行の基盤も、2008年の経済危機以降楽観視できないレベルにまでゆらいでいる。特に2005年から2007年にわたり不正販売を行ったMBS問題で米司法省との和解で生じた巨額の罰金が、深刻な危機感をあたえることとなった。

さらには昨年9月、メルケル独首相がベイルアウト(公的支援)による救済策の可能性を否定したことで、株価が6%近く急落。破たん説まで飛びだす中、ドイツ銀行は買収総額470億ドル(約5兆2193億円)といわれたブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)とレイノルズ・アメリカの大型買収の主幹事を務めるなどして、窮地からの脱出を図った。

それと同時に和解金の備えとして、増資、株式発行および資産売却などの案を含む選択肢について証券大手と非公式な協議を行っていた。当初ジョン・クライアンCEOは増資の可能性を否定していたが、今年にはいり総額80億ユーロの資金調達を決定。新株式の発行で再建のチャンスを得た。

CNBCの報道によると、クライアンCEOは顧客宛ての手紙の中で、投資家から集まった資金を元に、今後は収益成長の回復に専念する意向を示している。再建の見通しについては、欧州の投資家よりも米投資家からの期待の方が高いという。

欧州の多数の銀行が長期的な低金利政策による打撃を受けており、金利の上昇とともに利益面も回復するという希望をいだいている。独財務大臣など一部からは利上げを示唆する発言も聞かれるものの、欧州をとりまく不安定な環境を理由に、欧州中央銀行(ECB)は低金利の継続を主張している。(ZUU online 編集部)

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