独FinTechを先導するベルリンに続けとばかりに、フランクフルトが盛りあがりを見せている。120社以上のFinTech企業がアイデアを共有するプロジェクト「TechQuartier」や、FinTechハブ「The Spot」を筆頭に、すでに合計8カ所のハブを開設。
欧州中央銀行(EoB)の本拠地でもあるフランクフルトには、独スタートアップの8割が集結しているという。秘められた可能性は計り知れない。
「スタートアップ成長速度はドイツ一」のフランクフルト
フランクフルトの金融地区、マインツァー通りにオープンした「The Spot」には、ロボアドスタートアップのGinmonやFinTechインキュベーターのMainIncubator、デジタル決済サービスのBillwerk、FinTechベンチャー・キャピタルのDigital+ Partnersなど、独FinTechの期待の旗手が続々と参加している。
フランクフルトにはすでに同様のハブが合計8カ所存在しており、マインツァー通りにはほかにもFinTech Headquarterが、「フォーラム・フランクフルト」として知られる高層ビル、Pollux-Tower内には「TechQuartier」が、最新のFinTech情報の発信地として都市全体を活性化させている。昨年は大手も負けずと、ドイツ取引所が「FinTechハブ」をオープンさせ話題をさらった。
ベルリンに差をつけられている感の強いフランクフルトだが、Ginmonの調査では独スタートアップの8割がフランクフルトを基盤に活動しているそうだ。つまりFinTech事業を軌道にのせるうえで、フランクフルトは格好の出発点ということになる。
英法律事務所アレン・アンド・オーヴェリーのレポートからも、フランクフルトにおける2016年以降のスタートアップ成長速度が、ベルリンやミュンヘンをはるかに上回っていることなどがわかっている。
しかし誘致力という点ではまだまだベルリンが強い。英EU離脱にともない、ロンドンからベルリンへの移動を検討あるいは決定したFinTechは、昨年11月の時点で100社を超えていたという。離脱後は単一U市場へのアクセスが困難になると予想される現在、その数字はさらに拡大しているはずだ。
ベルリンにはモバイル銀行のNUMBER26、P2PのLendico、ビットコイン融資のBitbondなど、独スタートアップの新星がそろっている。ベルリンだけではなくロンドンやパリ、アムステルダムなどのライバル都市に、フランクフルトの「育成する力」がどこまで通用するか、今後の跳躍に期待したい。( FinTech online編集部 )
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