「健全な家計」「賢い節約」などを目指す場合、まずは飲食費や交際費などの「変動費」を削ろうと考えるのが一般的です。しかし実際には、毎月決まっている出費である「固定費」を見直す方が効果的です。実際に、固定費削減を図るにはどうしたらよいのかをみてみましょう。

「固定費見直し」のメリットとは

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(写真=PIXTA)

まずは「変動費」「固定費」が、具体的にどんな費目を指すのかをおさらいしましょう。

● 変動費
大雑把に言えば、その都度発生の有無や金額が変わってくる支出のことです。主な費目には、飲食費、交通費、被服費、交際費、遊興費、雑費などがあります。たとえば飲食費は、外食か内食かによっても金額が変わってきます。交際費も回数で変わってきますし、レジャーや趣味の買い物は選択によっては金額が大きく変動してきます。

● 固定費
長期にわたり基本一定の間隔でほぼ決まった金額が必ず出ていくことになる支出です。家賃や住宅ローン、水道光熱費、通信費(電話やインターネットなど)、保険料、学費などがこれにあたります。実際には冬の暖房、夏の冷房による光熱費など変動するものもありますが、「常に決まって出ていくもの」を固定費と捉えます。

節約と言えば、まず変動費を対象に単純に「今は買ったり使ったりするのを控える」という手段を取るのが普通です。しかしその場合、節約の効果は一過性です。より本格的に節約を考えるのであれば、固定費削減を考えるほうが効果的です。「月々必ず出ていく費用」が減るのですから、持続性があるのは当然のことです。また、「どれだけ削減の効果があるのか」の目途を立てやすいことも、固定費を見直すことのメリットです。

どうやって固定費を削減するか

もっとも、「そんなに簡単に固定費は削れない」と思う方も多いでしょう。しかし、そうした思い込みから放置されている「削減可能部分」が意外とあります。ここでは、見落とされがちな固定費削減ポイントをチェックしてみましょう。

● 住宅費(家賃など)
一つめのポイントは、家賃や住宅ローンの見直しです。家は、人生のなかでも大きな支出となります。

現在借家に住んでいて、今後持ち家購入を検討しているのであれば、長期的にみて借家とローンのどちらが得かのシミュレーションをしてみるべきです。

持ち家は将来的に自分の資産となり、社会的な信用度にも繋がります。しかし一方で、住宅ローンを利用する場合は多額の利息の支払いが発生します。固定費という点から考えれば大きなデメリットとなる場合もあることは考慮すべきでしょう。また、借家の場合、更新時期における家賃の交渉も大切です。

すでに持ち家に住み、住宅ローンを利用している場合も金利の変動に注意を払うべきです。金融機関からの「住宅ローン借り換えのご案内」などは頻繁に通知がくるため「とりあえず断る」という姿勢の方も多いかもしれませんが、金利が低くなっている今、長期に渡って見直しをしていない場合は、借り換え手数料を差し引いても借り換えでかなりの削減を見込める場合もあります。

● 保険
2つめのポイントは保険です。「知人や勧誘員の勧めで、とりあえず入った」などという保険がある人の場合、見直しは必須です。複数の保険の間で保障内容が重複しているケースがよくみられます。また、結婚や子供の成長など、ライフステージによって不要な特約・保障が出てきている場合もあるためです。

● 通信費・光熱費
3つめのポイントとして、通信費や光熱費などがあげられます。スマートフォンの利用が一般的となりましたが、特に最近は、格安SIMの登場で料金体系に大きく幅が出てきています。

現在の利用形態によっては、大幅なコスト削減もできる可能性があります。また、通信費や光熱費を「セットで考える」という視点も重要です。電力自由化により、場合によっては一つの会社や窓口でスマートフォンやインターネット、電力の契約をまとめることも可能になり、まとめることで大きな割引サービスを受けられることもあります。

このように、固定費と一口に言っても見直しポイントは多いことがわかります。目先の変動費の節約ばかりでなく、時には固定費を改めてチェックしてみてはいかがでしょうか。(提供: IFAオンライン

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