東芝の不正会計処理を巡って株価が下落、損害を受けたとして、日本マスタートラスト信託銀行など信託銀4行が、東京地方裁判所に損害賠償を求める訴えを起こした。請求額は2件、約183億円。2015年に発覚した不正会計問題を巡って、金融機関や機関投資家、個人株主を含めて訴訟数は今日までに20件、請求総額約502億円に達している。

訴訟20件、請求総額500億円

東芝
(写真=PIXTA)

東芝の発表によると、国内法人株主4人からそれぞれ約52億1600万円、約131億3300万円の訴訟2件が3月28日に東京地裁に提起されたという。

東芝はそれ以前に18件の訴訟を提起されており、その合計訴額は約320億だった。その中には海外機関投資家(アリアンツ・グローバルなど45人)の約166億5000万円、日本トラスティ・サービス信託銀行(1人)の約12億6000万円、同(1人)の120億円、社会福祉法人愛生会(1人)の700万円のほかはすべて個人投資家である。

保有株が「下落、自己新産目減りが訴訟理由

東芝は、米国の原発事業が数千億円の損失を出す見込みなど、経営危機に直面している。併せて、経営再建を目指して、半導体メモリー事業などすべての事業の分社化、半数の株式を売却して、健全財政を図る努力を開始している。

そんな中で、三菱UFJ信託銀行が出資している日本マスタートラスト信託銀行などの提訴は、東芝の再建に少なからぬ影響を及ぼしかねない。信託銀の言い分は、言うまでもなく、不正会計問題発覚によって、保有株かが下落して、自行資産が目減りしたというものだ。

特設ポストの株価は200円そこそこと低迷

東芝は2015年度決算の売上高は5兆6686円(前年度比7%減の約4460億減)、全盛期6-7兆円の巨大企業だった。それが電力・社会インフラや半導体の事業「不適切な会計処理」が発覚してからあっという間の凋落である。普通なら上場廃止と騒がれた株式は、お目こぼしで特設注意市場銘柄に移され、かつて500円を上回った株価は200円そこそこに低迷している。

不適切な会計はつまり粉飾決算の結果である。その後は、今年3月のウエスチングハウス(WH)の破産申請、そして2016年度決算に関連して監査委員会の「監査結論を表明しない」不祥事まで、東芝は坂道を転がり落ちた。

東芝の半導体メモリー事業「東芝メモリ」の売却入札を巡っては、シャープ親会社である台湾のホンハイ(鴻海精密工業)が、破格の3兆円を提示したといわれる。2次入札締め切り日の5月19日に向けて、米ウエスタンデジタル(WD)、米ブロードコムにホンハイなどが絡んで、激しい争奪戦の模様を呈している。政府はメモリー技術が中国、台湾に流出するのを恐れており、WDは日本連合を組んで入札する構えで1歩先んじた感がある。

今回の損害賠償訴訟を含めて、分社された東芝メモリの株式半数を競争入札で売却する東芝の立ち位置は大揺れであり、今後も目を離せない。(ZUU online 編集部)

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