医療情報専門サイトの運営等を行うエムスリー <2413> が4月25日に2017年3月期連結決算を発表した。

売上高は前年同期比21%増の781億円、営業利益は同25%増の250億円、税引前純利益は同25%増の249億円、純利益は同26%増の169億円となり、従来予想を上回る好決算となった。純利益は7期連続の過去最高益を更新、税引前純利益は17期連続の過去最高益を更新する見通しとなった。

主力事業が堅調に推移 海外事業も成長

エムスリー
(写真=PIXTA)

業績をけん引したのは、約4割の売上高を稼ぎ出す医療ポータル事業である。主力サイト「m3.com」は直近5年間で医師会員数が39%増、医師年間ログイン数が94%増と大きな成長を見せており、それに伴い、製薬会社の利用も拡大している。

製薬会社はサイト上で医師へ情報提供を行う事ができ、MRの人件費削減が図れる。医師向け人材紹介を行う、エムスリーキャリアも拡大しており、それらを含めた同事業の売上高は前年同期比22%増の307億円となっている。また、製薬会社からの治験受託事業も順調に推移している。

更に業績を押し上げたのが、海外事業である。米英を中心に調査サービスや医師向け転職支援サービスを提供しているが、同事業の売上高は前年同期比18%増の163億円となっている。営業利益は同2%減の15億円となっているものの、M&A費用の発生が要因であり、今後更なる拡大が期待出来る。

同社は2018年3月期の連結業績予想について、売上高は前期比15%増の900億円、営業利益は同15%増の290億円、税引前純利益は同16%増の290億円、純利益は同15%増の195億円としている。主力の医療ポータル事業の更なる成長に加え、2016年11月に買収した欧州子会社を中心に海外事業の収益貢献が加速すると見込む。

年初来からの重い値動きが一変か