鴻海精密工業(ホンハイ)傘下で経営再建中のシャープ <6753> の営業損益が3年ぶりに黒字に転じた。同社が28日に発表した2017年3月期(2016年4月-2017年3月)の連結決算によれば、前期1619億円の赤字に対して624億5400万円の黒字となった。ホンハイ傘下に入ったことでコスト削減が進んでいる。

純利益の黒字転換はあと1歩

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(写真=ricochet64/Shutterstock.com ※画像はイメージです)

売上高は前期比16.7%減の2兆506億3900万円。経常利益は同マイナス192億円余りに対して、250億7000万円の黒字となった。最終損益は同2559億円余りの損失に対して248億7700万円の損失と赤字幅が改善し黒字転換への期待も高まる。収益改善が見込めない工場の投資額が回収できなくなったとして、346億円の減損損失を計上したことが原因。また売上高の前期比減少は、ディスプレイ事業やエネルギーソリューション事業(特に太陽光事業)の不振が大きく響いた。

特に、直近の17年1-3月期(4Q)の連結最終損益は、前年同期の1476億円の赤字に対して162億円の黒字となった。売上営業損益率は前年同期のマイナス25.6%から7.8%の黒字へと改善した。

グローバル企業への構造転換