スタートしてから1年以上経った今でも、「マイナンバーカード」を持っている人はあまり多くないのではないでしょうか。最初に届いた「通知カード」と混同している人も少なくないようです。今後、使えるシーンが増えると予想されるマイナンバーカードの使い勝手を調べてみました。

「通知カード」だけでは手続きができない

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(写真=PIXTA)

「マイナンバーカード」の表面には、顔写真のほか、氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーなどが記載され、ICチップにはこれらの情報に加えて住民票コード、電子証明書データ等が搭載されています。セキュリティ面について不安の声もありますが、税金や年金などのプライバシー性の高い情報は搭載されていません。

またICチップの暗証番号の入力を複数回間違うとロックされる仕組みになっているほか、万が一紛失した場合は24時間365日対応しているフリーダイヤルに連絡することですぐに機能をストップすることができます。

制度がスタートした当初は、「通知カードだけでいい」と考える人も少なくありませんでしたが、カードがないとマイナンバーを提示する際に「通知カード」と「身元確認書類(運転免許証、パスポートなど)」の両方の写しが必要となるなど、余計な手間がかかることもあります。

証券口座やNISA口座の新規開設、確定申告などで経験した方も多いのではないでしょうか。カードの利便性が少しずつ浮き彫りになってきています。

コンビニで住民票を取得可能。確定申告も自宅から

マイナンバーカードは、公的な身分証明書としても使えます。運転免許証もパスポートも所有していない人にとって、顔写真付きの身分証明書が求められる場面で重宝することでしょう。

また、すでに始まっているのが住民票の写しや印鑑登録証明書、課税証明書をコンビニのマルチコピー機で取得できるサービスです。役所が遠い、平日の昼間に行くのが難しいという方には便利な仕組みです。交付手数料は自治体によって異なりますが、役所の窓口より安いケースが多いようです。公的個人認証サービスに対応しているICカードリーダライタが必要ですが、確定申告もオンラインで可能になります(e-TAX)。

2017年7月からの開始が予定されているのが、さまざまなサービスがワンストップで受けられる個人ごとのポータルサイト「マイナポータル」です。まずは子育て関連サービスが立ち上がる予定で、各種手続きのオンライン申請、プッシュ通知による予防接種のお知らせなどが実装される予定です。公金決済サービスなども順次始まる予定で、現在は先行してのアカウント開設の受付が始まっています。

あらゆるサービスを取り込むことで進む“ワンカード化”

今後は運転免許証に始まり、教員免許証や医師免許証などの公的資格の情報の搭載や、健康保険証や図書館の利用カード、資格試験などの受験票としての用途も追加されるといった計画もあります。また、ICチップの空き領域は行政機関だけでなく、民間にも開放されています。デビッドカード、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード、診察券や社員証としての利用についても検討が進んでいます。

身近なカードが集約される “ワンカード化”が進めば、マイナンバーカードだけで日常生活は事足りるようになるかもしれません。このほかネットバンキングやネットショッピング、コンサートなどのチケット販売や携帯電話販売、たばこやお酒の販売など、本人確認が必要な場面での活用も想定されています。

これらの動きは2020年までに実現させる方向で、国と関係機関との調整が急ピッチで進んでいます。マイナンバーカードを「持たないことがデメリット」になる時代は、そこまで迫りつつあるのかもしれません。(提供: IFAオンライン

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