昨今、女性の活躍が注目されています。企業ができることの一つに、女性向けの社員寮を整備することが挙げられます。女性専用というと大がかりなイメージがありますが、必ずしもそうではありません。

比較的手軽にできる方法とともに、女性向け社員寮のあり方を考えます。

余裕があれば1棟まるごと女子寮に

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(写真=IMG Stock Studio/Shutterstock.com)

どのような規模の社員寮を考えているかにもよりますが、1棟まるごと女性向けの寮にするという方法があります。社員寮に限らず、女性専用共同住宅に求められることが多いのは、セキュリティの充実です。オートロックやモニター付インターホンなど、工事が必要な設備は多くありますが、はじめから全戸に備えられている物件を借りた方が、コストパフォーマンスがいいようです。

しかし、初めからセキュリティの備わった物件を探すには、借り上げ・購入いずれにしても手間がかかります。新築する場合は設備投資が必要なため、多くの資金が必要となります。女子寮は女性専用の建物であることから入居者である従業員に安心感を与えます。

会社にとっても、女性の活躍に力を入れているということをアピールでき、採用にも効果をもたらすでしょう。企業のイメージアップの効果も期待できます。

フロアを分けて運用でカバーする方法もある

1棟全てを女子寮にするのが難しい場合は、フロアによって女性専用と男性専用に分けるというのも有効です。その場合、規則や設備などで区分を徹底する必要があります。曖昧になると、男女間のトラブルが発生したり、寮生が落ち着かないなどの弊害が出るため注意が必要です。規則の例としては下記があげられます。

・ 女性フロアは男性立入禁止
・ 男性フロアは女性立入禁止
・ 部外者は原則として入れない
・ 門限を設ける

区分を徹底するための設備には、監視カメラの設置、管理人の常駐、セキュリティカードや鍵などで物理的に仕切る、フロアごとにトイレや浴室、洗濯機を設置するなどが考えられます。

また、女性向け居住部分の設備として喜ばれるものに、独立洗面台、バス・トイレ別、浴室乾燥機などが挙げられます。

社員寮を作ることのメリット

女性向けに限らず、社員寮を作ることは企業にとってメリットとなります。福利厚生としてだけでなく、人材育成にもつながります。異なる部門の従業員が集まる寮での共同生活は、社内のコミュニケーションをスムーズにするための人脈作りに役立ちます。

就業時間とは別にリラックスした環境の中でさまざまな対話をすることで、思いもかけず企画や業務改善のアイデアが出てくることがあるかもしれません。寮内でのイベントや管理に携わらせることは、リーダーシップやコミュニケーション能力を養うのに一役買い、社内のチームワークを高めます。

このような機会を男女平等に与えることは、利潤を追求する企業としては積極的に取り組んでいくべきだといえるのではないでしょうか。

女性従業員のための社員寮を作ることは、組織の活性化につながる

女性向けの社員寮を導入する方法としては、専用の建物を借りるか保有する、既存の建物をフロアで男女に分けるなどの方法があります。前者は初期投資が必要ですが、より力を入れて取り組んでいることを示すことができます。後者は比較的導入しやすくなりますが、運用には男女の区分を徹底するなどの注意が必要です。

導入とその後の管理には手間も費用もそれなりにかかります。しかし、人材育成やチームワークを高める効果が期待できるでしょう。誰でも安心してサービスを受ける体制を整えることが、企業として期待されています。(提供: フクリ!

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