保険は、毎月の負担は少額でも長期間支払うものであるため、実はトータルコストでは人生で2番目に高い買い物だといわれています。保険の加入や見直しについて、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談するメリットなどについて解説していきます。

保険にかかる総費用

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(写真=pathdoc/Shutterstock.com)

公益財団法人生命保険文化センターによる「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、年間払い込み保険料は、男性が平均22万8,000円、女性が平均17万4,000円という結果で、かなりの高額な保険料を負担していることがわかります。また、「平成27年度生命保険に関する全国実施調査(生命保険文化センター)」によると、1世帯あたりの年間払い込み保険料については、平均38万5,000円です。

一般に、生命保険は家族を持ってから加入することが多いのが特徴です。また、子どもが生まれれば教育費の貯蓄を目的として学資保険などに加入をすることもあるでしょう。婚姻の年齢から保険に加入すると仮定して、人生でどれくらい保険料を支払うのかシミュレーションしてみましょう。

厚生労働省の「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2015年の平均初婚年齢は、夫31.1歳、妻29.4歳になっています。もし30歳で保険に加入する場合、生命保険などについては、定年退職までの60歳で終了することが多いため、約30年間支払っていることになります。

先の1世帯あたりの年間平均払い込み保険料(38万5,000円)で30年分計算すると、1世帯(夫婦)で1,155万円となります。男女ともにそれぞれが30年間個別に保険料を払い込んだ場合、男性は684万円(22万8,000円×30年)、女性は522万円(17万4,000円×30年)となります。

仮に、保険料の総支払い額(1世帯)の約1,000万円を、保険に加入せず貯蓄に回していたとします。さらに、退職時に退職金約2,000万円を受け取ったとします。合わせれば、一般に老後夫婦で準備しておくべきとされる3,000万円をクリアしてしまうほどの、大きな金額となります。

保険に加入することは、万が一の事態に備えて安心を得るために必要とされるものでしょう。しかし、あまりに保険料が高い場合、通常預貯金や生活費にまわすことができる金銭が少なくなることから、生活が苦しいと感じる要因にもなりかねないのです。

保険の見直しで費用削減

このようなことから、保険料は月々支払うものであること、月々の支払い額はそれほど負担を感じなくても、長期的にみるととても高額となっていることがわかります。

また、保険は万が一の場合に備えるものですが、保障が大きいものだと、それだけ保険料も高額になります。健康でいられる場合は保障額を低めに設定するよう見直すだけでも保険料をかなり安くすることができ、トータルコストとして低い金額で安心を得ることができるようになるのです。

IFAと行う保険見直しメリット

保険の見直しを行う際に心強いパートナーとなるのが、IFAではないでしょうか。家計について相談できる専門家にFP(ファイナンシャル・プランナー)がいますが、募集人資格で業務をしているわけではないため、保険商品への具体的な提案をすることが難しい場合もあるようです。

IFAは独立系のファイナンシャル・アドバイザーであり、保険代理店契約などを結んでいるため、加入している保険商品の分析や他の保険商品の紹介をすることができます。保険の保障額についての資産に応じて具体的に提案を受けることができるため、必要最低限の保障や自身が欲しい保障に沿った保険商品を提案してもらうことが可能です。

このように、総合的にアドバイスを受けることができるため、自力で見直すよりも簡単に保険の見直しができるという大きなメリットがあります。

無駄な保険は払い損

海外旅行保険のように臨時に加入する保険を考えてみると、それほど高額な保障を選んでいないのではないでしょうか。安心を得るためにはある程度の保障金額で問題ないのです。そのため、大きすぎる保障内容は保険料のムダ払いとなっている可能性があります。

少しでも気になった方は、IFAなどの専門家にアドバイスを受けて最適な保障に見直すことをおすすめします。