米大統領選で敗れたヒラリー・クリントン氏がTwitterを通じて新政治団体「オンワード・トゥゲザー(共に前へ)」の設立を発表した。昨年11月、トランプ氏に敗退して以来の政治活動復帰である。

米国社会の分断を助長しているとの批判が根強いトランプ政権に対抗し、市民の結束や政治参加を促し「進歩的価値観」を推進するのが狙いという。クリントン氏は同時に、政治活動を目指す民主党の女性候補を育てる団体や、司法や警察における人種差別と闘う団体などへの支援を表明した 。

「市民参加は民主主義に不可欠」とクリントン氏

大統領選,ヒラリー
(写真=Krista Kennell/Shutterstock.com)

クリントン氏は自身のTwitterで、「過去数カ月、じっくり考え、家族と過ごし、もちろん森の中を散歩もしてきた」「私は市民の参加が民主主義にとって不可欠であるとこれまで以上に信じている」「人々に活動への参加や公職選への立候補などを促すためにオンワード・トゥゲザー(共に前へ)を発足させる」と、政治活動の再開を発表した。

団体のWebサイトが開設され、進歩的な価値観を推進するため、6600万人が支持投票した事実を再起させたいという。声明では「われわれはここ数か月、人々が弱い者いじめや憎悪、うそ、あつれきに抵抗し、より公正で包摂的な米国を擁護するために集まれば何ができるかを目にしてきた」と訴えた 。クリントン氏は今月に入り、自身の現状について「活動する一市民」と表現していた。同氏は現在、トランプ氏に敗れた昨年の大統領選に関する本を執筆しており、年内の刊行が予定されている。

市民活動家から政治活動再開へ変身