中央銀行の受付およびサービス部署の従業員が賃金交渉に向け、ストライキの実施を決める無記名投票を行っていることが分かった。

その国は英国だ。一部の従業員は年間所得中央値、2万7200ポンド (約383万円/ONS2016年調査) を大きく下回る、2万ポンド(約287万円)という低賃金での生活を余儀なくされているという。

カーニー総裁の報酬総額は1億円以上

ストライキ投票は英最大規模を誇る労働組合「ユナイテッド・ザ・ユニオン」 が、加盟メンバーであるBoEの従業員を対象に6月下旬まで受けつけている。賃金交渉を求めているのは、BoEの中でも低所得層に属する受付・サービス・施設部署の従業員だ。投票の詳細は公表されていないが、英ファイナンシャル・タイムズ紙はBoEの総従業員4000人の2%以下が、投票に参加していると推測している。

BoEは2017年に入り従業員の給与総支給額を1%引きあげたものの、各従業員の昇給は上司が決定する。実質的には公共支出削減を唱える政府によって、昇給の上限が1%に定められている。

トップと低所得層の給与差が過度に開いていることは一目瞭然だ。カーニー総裁は低所得層従業員の24倍に値する給与だけではなく、年金給与などを含む総額87万9485ポンド(約 1億2497万円)の報酬を得ていることになる。

BoE「賃金上昇、インフレに楽観的すぎた」が、対策はなし