種類株や取締役の再編をめぐり、内部で対立が続いていたゼネラル・モーターズ(GM)だが、2017年6月の株主総会で 、GM株の3.6%を保有する米ヘッジファンド、グリーンライト・キャピタルによる提案を否決した。

著名投資家、デヴィッド・アインホーン氏率いるグリーンライトの狙いは、改革による株価の上昇だったが、今回の投票結果を見るかぎり、大部分の投資家はGMの現状に満足しているようだ。

株価は押し上げたいが、大胆な改革は望まず?

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

株主総会にあたり、グリーンライトからは「普通株を配当付き株と、利益優https://zuuonline.com/archives/155852先株の2種に分ける」「現取締役11人を再任し、新たな取締役を就任させる」という提案が出されていた。この提案は大方の予想通り、91%の反対票で否決された。

総会開始直後、GMの株価は34.43ドルから34.11ドル(約3779円から3744円)まで急落(デトロイト・ニュース調査) 。翌日午後13時の時点では、34.36ドル(約3771円)まで回復している。

米自動車販売サイト「オートトレーダー」のシニア・アナリスト、ミッシェル・クレーブス氏は、「メアリー・バーラCEO兼会長が打ち出した方針に、株主がおおむね満足している」ことが、投票結果に反映されているとコメント。

しかし株価が40ドル(約4339円)の大台に乗っていた2013年などと比べると、勢いに欠ける印象は否めない。バーラCEOは今後も株価を押し上げるための「長期的アプローチ」に、積極的に取り組んでいく意向を示している。

アインホーン氏 は「GMの非効率的な資本構造を改善し、株主が受ける恩恵を無限大に広げる提案」が否決された事実を、「非常に残念だ」と述べている。

シボレーの販売不振から大型リストラ

GMが大胆な方向転換に踏みだしたのは、シボレー・スピンの販売頭打ちを理由にインドネシアの工場閉鎖に踏み切った2015年だ。スピンが優秀な車であったにも関わらず、物流ネットワークの複雑さから普及が進まず、コストが高くついた点をGMは嘆いていた。

2016年11月には、米オハイオ州とミシガン州の工場で2000人の大型リストラの実施を発表。こちらもシボレー売上低迷を原因とし、次世代シボレーの生産基盤をコストの安いメキシコに移動させる意向を示すなど、CNBCの報道によるとこのリストラ発表からわずか数か月間で、少なくとも5000人を解雇 したという。

GMはすでに長距離走行可能な電気自動車の開発に着手しているほか、配車サービス会社Liftへの出資を通しシェアリング・エコノミー分野にも進出している。

第1四半期の純利益が35%減と大苦戦を強いられているフォードに比べれば、過去最高益となる33.5%を記録するなど、むしろ好調ともいえる。

株主にとってはこれ以上の冒険は、余計なリスクといったところだろうか。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

【お詫びと訂正】当初公開記事に、解任されたフォードCEOとゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラCEOを混同する表現がありました。2017年5月に退任したのはフォードのマーク・フィールズCEOです。GMのバーラCEOは2014年1月の就任から現職です。読者およびGM関係者の皆様にお詫びして訂正いたします。

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