世界最大手化粧品会社のロレアルが、傘下英国ブランドの「ザ・ボディショップ」をブラジル最大手化粧品会社「ナトゥーラ(NATURA)」に売却するため、独占交渉を開始したと発表した。売却額は10億ユーロ(約1240億円)に上る見通し。

WWDの報道などによると、ロレアルのジャン・ポール・アゴン会長兼CEOは「『ザ・ボディショップ』の新たなオーナーが発表できてうれしい。ブランドのDNAである自然派志向とエシカルマインドを育むことを考えると、最高のオーナーだろう。ナトゥーラはブランドの長期的な発展に注力する。消費者はもちろん、従業員、取引先、そして株主にも敬意を払う」と語った。

ナトゥーラは『ザ・ボディショップ』と『イソップ』の3本柱で国際化

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(写真=mrfiza / Shutterstock.com)

ナトゥーラは海外ビジネスにも注力して、昨年はオーストラリアの同業「イソップ」を買収している。同社のジョアン・パウロ・フェレイラCEOは「当社は『ザ・ボディショップ』と『イソップ』の3本柱で国際化を促進し、マルチブランド&マルチチャンネル戦略に磨きをかける」と語っている。

一方、「ザ・ボディショップ」は英国ブランドで、1976年に創業者アニータ・ロディック氏がブライトンで創業した。同社は2006年に6億5200万ポンド(約914億6200万円)でロレアルに買収された。同ブランドは66カ国に3000店を保有している。ところが近年業績が振るわず、16年の売上高は約15億ユーロ。北米の業績はやや改善しているが、香港、サウジアラビアなどで不調で、成長は鈍化していた。類似したコンセプトの競合店が増えたことが伸び悩みの原因とされる。

ロレアルの戦略トータルビューティーブランド