3月短観の大企業調査は、3月下旬にかけて金融・保険を除く資本金10億円以上の大企業約2400社に対して行った調査であり、そこでの収益計画は、今期業績予想の先行指標として注目される。ここでは同調査を用いて、堅調な今年度収益が見込まれる業種を予想してみたい。
今年度は増収減益の見込み
まず売上高を見ると、16年度下期は依然として前年比マイナスの計画となっており、前回調査からは▲1.0%の下方修正となっているが、17年度に至っては上期から前年比プラスに転じる計画となっている。
一方、経常利益は16年度下期から前年比で増加に転じており、前回調査からの修正率も+12.3%となっている。しかし、17年度の経常利益は減益計画となっており、前年比で▲0.2%の微減見込みとなっている。このことから企業は、今年度は昨年度と比べてコストが増加しやすいと想定していることが推察される。
結局、産業全体で見れば、売上高、経常利益とも半期ごとの伸び率は17 年度上期に増収増益になるものの、下期は増収減益に転じる計画になっている。ただ逆に慎重な計画であれば、夏場に向けて4-6月期の企業業績が見え始め、収益回復への市場の期待が高まることで、株式相場の押し上げ要因となることが期待される。