レーガン政権下で米行政管理予算局長を務めたデイビット・ストックマン氏が、「現在の経済市場は最も危険な状態である」 とし、S&P500指数が今後1600ポイントまで下落する(34%減)する危険性を指摘を警告した。
ストックマン氏はトランプ政権による税制改革の実現はおろか、米政府閉鎖の可能性にまで懸念を示している。
新たな税制導入や支出削減なしでは、トランプ政策は実現しない?
ストックマン氏は過去数年にわたり、2008年の経済危機以降、連邦準備制度理事会(FRB)が応急処置的に用いて来た量的緩和策を、「経済市場崩壊の危険要因」として警告して来た。
しかし市場は「一切合理性を持たず、気が狂ったようにバブルを巨大化させている」。トランプラリーで希望と期待に市場が満ちあふれていた時期ですら、ストックマン氏の懸念は増長するばかりだった。
ストックマン氏は税制改革案自体は評価しているものの、実現には国境調整税などの新たな税制の導入や支出削減によって補う必要がある と見ている。ところが国境調整税は見送り状態、支出削減の見込みはゼロに近い。
代替案なしのトランプ経済政策の実現は非現実的で、ウォール街が期待している減税はおろか大規模なインフラ投資もあり得ないというのが、ストックマン氏の見解だ。それを承知でトランプ大統領が財政出動を試みれば、「政府閉鎖(政府機能が一時的に停止する状態)も生じかねない」という。