最新の中国人富裕層の分析記事によると、2016年、中国の個人可投資資産1000万元以上の富裕層は158万人規模に達したことが分かった。

主なソースは招商銀行と貝恩公司(ITビジネス戦略)が共同で発表した『2017中国私人財富報告』である。ちなみに招商銀行は、最も富裕層の評判が良い銀行である。

急増する1000万元長者

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(写真=GaudiLab/ Shutterstock.com)

中国のニュースサイト「今日頭条」が紹介した。報告によるとその内訳は、1000~5000万元が135万人、5000万~1億元が11万人、1億元以上12万人である。

また創業企業家(富一代)の占める割合は40%、給与生活者30%、事業を継承した富二代が10%、職業投資家5%、その他(スポーツ選手、芸能人、芸術家など)15%の順になっている。そして彼らの資産合計は165兆元に達する。

一千万長者数は、2012年比では倍増、2014年比で50万人も増えている。平均増加率は23%である。

富裕層の多い地域は、当然発達した東部沿海地区に偏っている。胡潤研究院の作成した600万元以上の分布データによると、広東省22%、北京22%、上海19%、浙江省15%、江蘇省9%、福建省4%、山東省4%、その他は全部合わせても5%しかいない。浙江デルタの1市2省で43%にも上っている。

資産内容アンケート

報告から資産増加率というデータを見てみよう。富裕層が昨年増やした資産トップ5は次のようになっている。

1 保険……増やした人12%/減らした人2%、
2 投資性不動産……増 11%/減 2%
3 株式……増 10%/減 3%
4 家族信託……増 8%/減 1%
5 債券……増 8%/減 4%

家族信託というのがいかにも中国らしい。他人は信用できないのである。

次に好きな海外投資先アンケートは以下のとおりだ。

1 香港 53%(前年比-18%)
2 米国 52%(-3%)
3 オーストラリア 24%(+7%)
4 カナダ 22%(+7%)
5 シンガポール 21%(+6%)

ちなみに6位は英国である。すると1位~6位まですべて英国とその元植民地だ。実は中国人は圧倒的に米英を好み、信頼を置いているのである。

2017年の運用見通し

また報告では、彼らの2017年資産運用計画を展望している。

●株式市場
楽観的な見通し。2016年下半期からIPOの審査期間調節などがあったが、マクロ経済指標は好転している。

●保険
ゆるやかな伸びを見込む。2016年実施の監督管理規定は重しだが、上昇基調は継続しそう。

●ネット金融
ここ4年間で急激な成長を遂げた。まだ浸透率は低く、政府の支持もあり有望だ。

●金市場
政治経済の不確実性が増し、リスクヘッジ需要は高い。順調な市況が見込まれる。

●金融商品
2016年の『商業銀行理財業務監督管理弁法』により枠がはめられた。今年は調整期間となる。

●不動産市場
1線級2線級都市では購入制限令が強まった。政策はバブル崩壊阻止が主眼である。投資性不動産にとっては中立。

このようにして富裕層は、日々資産運用に頭を巡らせている。政府による調整や規制が増え、自由度は狭まった。

しかし中国人富裕層の真骨頂はこれら規制を逆利用することにある。165兆元にしても単に表に出た金額だけである。裏帳簿にはどれだけあるのか見当もつかない。彼らの意識はすでに無国籍だ。その目標は中国現政権が滅んでも自分たちだけは生き残ることである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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