中国のシェアサイクルの発展ぶりは日本のニュースでもたびたび紹介されている。そんなおり北京で「2017年中国競争戦略サミット」が開催された。テーマは、共享単車(シェアサイクル)をどう社会に確立するかである。中国のシェアサイクル熱は上昇の一途である。急速に資本投下され、瞬く間に“業界”が出現した。すでに大混戦となり、新規参入者が自社カラーとして打ち出せる自転車の色はもはやないという。会議には各社のトップやアナリストが出席し、戦略や将来について発言した。その内容を官製メディア「参考消息」が伝えている。

トップ企業Ofoの戦略

中国経済,シェアサイクル
(画像=Mobile Webサイトより)

現在の業界は2トップは、Ofoと摩拜(Mobike)で、この2社で第一グループを形成している。

Ofo創業者・張已丁は、Ofoの基本理念は、便利にしてかつ楽、であることだと解説した。そのために現在商品の制度設計に改造を加えている。それは芝麻信用(アント・フィナンシャル系のクレジット会社)との合作である。同社のポイントを使えば保証金が免除になるのだ。この方式は、利用者に利便を与え、財務処理を楽にする。

また張已丁はシェアサイクル業界の今後の発展は“連接”がカギであると発言した。周囲の資源と連接し、新しい世界を創造する。それには共用プラットフォームの開放を加速することだ。そのことにさらに大きな市場が広がる。おそらく自社のシステムに他社を参加させたいということだろう。

第二グループの戦略

3位以下の第二グループのトップたちは次のように発言した。

小藍単車(Bluegogo)の創業者・陳懐遠は、Bluegogoの基本理念は快適であるという。より一層良好なシェアサイクル体験を顧客に提供したい。そのため快適な自転車の4条件、ハンドル、サドル、フレーム、ペダルを究めるつもりだ。また業界の未来については、一切の騒擾を離れ、自転車そのものに回帰することとしている。

Hellobikeの韓美COOは、二線級、三線級都市に最初に参入することが社の戦略で、これらの都市に商機を見出すとした。

小鳴単車の陳宇宝CEOは、企業の社会的責任として自転車の乗り捨て問題を解決したいと発言した。すでに同社では、利用禁止地区や乗り捨て禁止地区を設定している。

同質化競争から脱却が課題

最後に企業情報・コンサル会社の業界レポートは次のような内容である。

シェアサイクル業界には、同質の過当競争による悪影響が出ている。目前の競争戦略を変えないと、永遠の拡張を求めて盲進するだけだ。そして風評の影響も受けやすくなる。

そして所有している自転車とシステムには、各社明確な差異はない。つまり最も大切なブランド力がないのだ。産品、技術、資本、管理力は企業の生命線ではない。各社、学習と改善が必要だ。同質化競争には2つの出口しかない。価格戦に巻き込まれて重大な損失を計上するか、それともこのような競争から即刻退出するかである。

また目下のところ、Ofoと摩拜(Mobike)の第一グループが絶対的な優勢を築いている。そして第二グループ以下は競争力の切り札を欠いている。消費者に速やかに差別化を認知させ、ライバルと区別した産品を提供し、優先選択権を獲得しなければならないと結んでいる。

シェアサイクルは、ここ3年で急速に発展した最もホットな業界である。これからも議論は続くだろう。6月末にはOfoで共産党委員会の設立が発表された。政府も関与を強めてきそうだ。一方の摩拜(Mobike)は福岡市を手始めとして日本市場へ進出する。ここしばらくこの業界の動きは見逃せない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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