政府が推進する「働き方改革」により、正社員の副業や兼業が容認される動きが加速しています。厚生労働省が作成している「モデル就業規則」では、副業・兼業に関する規定を「原則禁止」から「原則容認」へ転換する方針であることが報じられました。一方、パラレルキャリアという言葉もよく聞かれるようになりました。副業とパラレルキャリアとは、一体どのような違いがあるのでしょうか。

パラレルキャリアとは

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(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)

パラレルキャリアとは、『現代経営学』や『マネジメント』の著者であるピーター・ドラッカーが提唱する、これからの新しい生き方の一つです。パラレル(parallel)とは「並列」を意味します。つまり、パラレルキャリアとは複数のキャリア(経歴)を並行するということになります。具体的には、本業を持ちながら別の仕事をすることや、NPOなどの社会活動に参加していくことを指します。

ドラッカーの著書『明日を支配するもの』によれば、近年では組織の寿命よりも人間の寿命が上回ったため、これからは組織だけに頼るのではなく、異なる「第2の人生」を考えていく必要が生じているとされています。ドラッカーは「第2の人生」の一つとしてパラレルキャリアを提唱しています。

世界各国と比較しても日本は、創業100年を超える息の長い企業もまだまだ存在します。しかし、それは少数であり、多数の企業は創業数十年、もしくは数年で消滅してしまうのも現実です。

単に組織にしがみついているだけではなく、本業に支障が出ない程度で第2のキャリアを築いていくことが重要となってきます。それこそが自分の存在価値を見出すことや生きがいにつながるでしょう。

副業とパラレルキャリアとの違い

副業とパラレルキャリアの大きな違いは収入に関する考え方です。一般的に副業というと、収入を得ることを目的とする本業以外の仕事を行うことを指します。一方、パラレルキャリアは必ずしも収入を得ることを目的としません。

パラレルキャリアの例として、社会貢献活動・自分の好きな趣味や夢の実現・自分のスキルアップ・将来への自己投資などがあげられます。副業よりも広い概念であり、本業以外で自分のやりたいことに熱心に取り組むことをあらわします。自己の成長につながると同時に、本業にも良い影響を与える可能性も大いにあります。

生活していくための「ライフワーク」である本業を主軸に置きながらも、自分のやりたいこと・人生に輝きを与えてくれる「ライフワーク」を持つことが、まさしくパラレルキャリアを実践することになるでしょう。

今はまさに不動産投資ブーム

現在、不動産投資に注目する人が増えています。サラリーマンという本業を持ちつつも、不動産投資家という顔を持つパラレルキャリアの人も増加傾向にあります。

不動産投資は土地があるために価値がゼロになってしまう可能性は低く、他の投資と比べローリスクだと言われています。本業以外の時間を使って行えるだけではなく、自分の資産について常に理解・把握しておくことも可能です。

自分の資産を投資することにより、将来的な経済の安定も手に入れる可能性を秘めているので、将来のための自己投資として始める人も少なくありません。

現在では比較的若い世代でも不動産投資に注目している人が増えています。社会情勢や経済に常に関心を持つためにも、パラレルキャリアの一つとして不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。

あなたは何足のわらじを履きますか?

パラレルキャリアは今後の人生を大きく変えてくれる新しい生き方ともいえます。国全体が副業を原則容認していく流れの中で、複数の肩書を持って世の中で活躍していく人も増えていくでしょう。

自分の好きなこと・やりたいことに思いをめぐらせ、本業で生き生きと輝いていくためにも、今後の生き方についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。(提供: Incomepress

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