ナスダックの価格データ・テスト中にApple、Amazon、Google、Microsoftなどの大手IT企業株が大暴落、あるいは急上昇したかのような異常な価格が表示された件をめぐり、調査が進められている。

異常事態発生時にはAmazonが87.2%、Appleが14.3%急落したのに対し、Microsoftは79.1%、eBayは253.5%、ジンガは3293%も上昇したと表示されていた。

米国独立記念日前日に起きた「フラッシュ・クラッシュ」

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

このエラーは翌日に米国独立記念日を控え、通常よりも3時間早い短縮取引が終了した7月3日に起きた。

CNN やファイナンシャル・タイムズ紙 の報道によると、ブルームバーグ、ロイター、Gooleファイナンスの株が一律123.47ドル(約1万4024円)で表示されるなど、主要株12銘柄以上の価格に尋常とは思えない変動が見られた。

ナスダックのシステムに異常は見られず、あくまで世界各地の取引スクリーン上のみの異変であったため、ナスダック側は「技術的な問題はなかった」とコメント。ブルームバーグを含む「一部のサード・パーティーが不適切なテストデータを広めた」 と状況を報告した。ブルームバーグからはコメントが発表されていない。

「短縮取引がシステムに何らかの影響を与えたのではないか」 との声も、一部の関係者から挙がっている。

テクノロジー関連のシステム障害が相次ぐ金融市場

幸い実際の取引には何の影響も及ぼさなかったものの、こうした価格変動がエラーではなく現実に起きた場合、Amazonの時価総額だけでも一瞬にして4000億ドル(約 45兆3960億円)の大暴落を意味する。

今回の騒動の原因がどこにあったにしろ、金融市場でデジタル化が進むに伴い、テクノロジーによるエラーや問題が混乱を引き起こすリスクは避けられないだろう。すでに同様の問題が複数報告されている。

最も鮮明な記憶として蘇るのは、2010年5月に米国株式市場で 起こった「フラッシュ・クラッシュ(急下落)現象」かと思われる。ダウ工業株30種平均株式指数がわずか5分間で573ドル(約6万5029円)急落後、今度は2分弱で543ドル(約6万1625円)急騰した。
当初サイバー攻撃からファットフィンガー・シンドローム(電子金融取引の注文の誤入力によって生じる大損害)まで様々な原因が憶測されたが、後にナビンダー・サラオという英国人容疑者が 意図的な「スプーフィ ング(高速取引)」などで相場の急落を煽ったとして、身柄を拘束された(ブルームバーグより)。

さらに最近では2015年7月にニューヨーク証券取引所の取引システムに障害が起こり、全取引が一時停止されたほか、2013年8月にはナスダックでも 同じ障害が発生している。

ナスダックは2012年5月のFacebook上場(IPO)の際にも取引前にシステム障害が発生し、2650万ドル(約30億 748万円)の和解金を支払う羽目に陥るなど、トラブルが続発している(テレグラフ紙より)。

テクノロジーが様々な領域で社会に貢献している反面、社会構造そのものを複雑化させている事実は否定できない。FinTechの恩恵で基盤そのものが革命期に突入した金融市場が、どのような対応策を打ちだして行くのかが気にかかる。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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