ポルシェAGが2017年度上半期において、全世界の新車販売台数が前年から7%増となる12万6497台に達したと発表した。スポーツカーによる上半期の業績としては最高記録となる。最も飛躍的な伸びを見せたのはパナメーラで、前年比54%。マカンも11%増で5万台を突破し、引き続き好調な動きとなった。市場規模および成長率では中国が圧倒的にリードし、「世界最大のポルシェ市場」であることを証明した。

ポルシェの売上の7割を占めるSUV

ポルシェ,売上
(写真=porsche.comより)

ポルシェの販売およびマーケティングの責任者であるデトレフ・フォン・プラテン氏 は、上半期の快進撃は新型パナメーラの貢献によるところが大きいと捉えている。プラグイン・ハイブリッドとスポーツ・ツーリスモが加わったことで、「市場の熱狂的な反応をさらに加速させる」と今後の展望に期待をよせると同時に、「非常に魅力的な商品と独創的なブランド体験がポルシェの成功の源」であると分析している。

スポーツカー市場の歴史を塗り替えた4ドア・スポーツカー、パナメーラの成功のカギとなったのは、魅力的なデザインとエコカー減税の対象との意見もある(The Driveより)。

一方ポルシェの人気スポーツSUV、マカンも過去6カ月の成長率が2桁に届き、総販売台数の40%を占めるという独走ぶりを発揮。同じくSUVのカイエンが29%に値する3万5601台を売り上げ、ポルシェの売上の7割はSUVという結果となった。

ポルシェの快進撃を支えるのは中国市場?

プラテン氏の説明するように、ポルシェの独創的な商品ラインアップやブランド・バリューが世界的な高評価を受けていることは疑う余地がない。

スポーツカーが上半期だけで、これほどまでの売上を記録した例は過去にない。スポーツカー市場の歴史を塗り替えた異例の業績がパナメーラによるものだとすれば、22億3000万ドル(約2529億9350万円)の収益を叩き出した昨年の成功の影にはマカンがあった。

しかし最も低価格帯なボクスターですら4万6000ドル台(約521万円)、最高価格帯のモデルでは20万ドル(約2266万円)を余裕で超えるような超高級ブランドが(TrueCar2017年データ)記録更新を続けている背後には、ほかの理由もあるはずだ。

車種による売上の割合を考慮すると、特に欧米でのSUV熱も要因のひとつとして数えられるはずだが、中国市場における需要の拡大が後押ししていると見るのが自然だろうか。

「年間生産台数の半分をEVに」次世代自動車市場に本腰

アジア太平洋・アフリカ・中近東での売上は5万台(前年同期比10%増)を突破し、市場規模や成長率では4万2972台の欧州(6%増)や2万7564台の米国(3%増)をはるかに上回っている。その中でも中国での需要が18%増の3万5864台と、さらに拡大していることがわかる。ポルシェにとって中国は最大の市場に再成長しており、次々と記録を更新中だ。販売台数が1万5474台、成長率が1%と低迷するドイツや米国とは対照的である。

ポルシェは今後の展望として、歴代のポルシェに受け継がれる「精神」を大切に守りつつ、高感度センサー技術やAI(人工知能)技術を採用したデジタル化を目指している。現時点で具体化しているのはマカンをベースにしたEV(電気自動車)や、テスラのモデルSに対抗するとされるポルシェ初のEV、ミッションEの開発・発売である。

大手メーカーで繰り広げられる次世代自動車開発競争を尻目に、オリバー・ブルームCEOは「2023年までに、年間生産台数の50%をEVにする」との意気込みだ。中国での空前のEV人気を視野にいれての発言という可能性もある。こうした軌道転換が今後の売上にどのような影響をもたらすのか、まだまだ未知の世界ではあるものの、ポルシェの耐えることなき革命精神は市場を煽動し続けるだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

【編集部のオススメ記事】
最前線で活躍する大人のスキンケアの心得とは(PR)
ZUU online8月記事ランキング 丸井は百貨店ではない、300万円超えのスーパーマリオ……
デキるビジネスパーソンは脂を身体に乗せず、仕事に乗せる。(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
NISA口座おすすめランキング、銀行と証券どっちがおすすめ?(PR)