中国で「今は果たして理財商品の買い時なのか?」という記事を経済ニュースサイト「界面新聞」が掲載した。日本でもたびたび紹介される中国の理財商品とはどんなものなのだろうか。

■中国の理財商品とは

「理財」は中国語で資産運用のことで、理財商品とは、商業銀行と正規金融機関が自ら設計して発行し、国内で販売されている高利回りの資産運用商品のことだ。元本保証されていないものが多いようだ。

正規金融機関の発行する商品だから心配ないだろうと思うには、あまりに表示される利率が高い。そして街中の金融ショップで転売されている。2流銀行の商品が多く、印象として少し怪しい。それらも踏まえた上で、最新の事情を探ってみたい。

界面新聞の統計によると、条件を満たす国有銀行、または私有銀行が全国で発行した人民元建て銀行理財商品の平均収益は、先週の4.99%から、4.98%に下がった。これは部分的調整のレベルだという。

大銀行の発行した理財商品は、7月初旬に短期的に収益率を落としたがすぐ回復し、高いレベルを保持している。そして今週、選択可能な理財産品は、17の国有私有の商業銀行から、211種発行されている。各行で最も収益率の高いものトップ5を見てみよう。

■理財商品トップ5

順位 発行体/予定収益率上限/委託期間/最低単位
5位 浙商銀行 5.45% 182日   100万元
4位 平安銀行 6.5% 185日 10万元
3位 中国農業銀行 6.7% 90日  5万元
2位 中国銀行 8.0% 105日 10万元
1位 交通銀行 12.5% 181日 600万元

今週も最高の収益率だったのは交通銀行である(得利宝私銀慧享)。これは上海・深センの株式300指数に連動するタイプだ。満期は181日、最低収益率2.5%、最高収益率12.5%である。宣伝されている利率とは最もうまくいった場合の上限のことだった。

実際はどうなのだろうか。この商品では7月19日に購入したとすると、その日の指数を基礎として2.5%は保障される。その後委託期間内で基礎日より10回の高いポイントを選ぶことを繰り返し、5%は保障しているという。預入最低単位は600万元(約1億円)と一般的ではないが、交通銀行の個人顧客のみ30万元からでも購入できる。

第2位の中国銀行の商品は、やはり株式連動で105日、最低収益率3.0%、最高収益率8.0%、元本不保証。第3位の中国農業銀行のそれは90日、最低収益率2.0%、最高収益率6.7%、やはり元本不保証。なお第1位の交通銀行は元本保証に関する記載はない。

■ 個人向けトップ5

預入最低単位5万元の個人向けトップ5は次のようになっている。
順位 発行体/予定収益率上限/委託期間/ 最低単位
5位 浙商銀行 5.35% 92日 5万元
4位 渤海銀行 5.4% 259日 5万元
3位 中国銀行 5.6% 64日 5万元
2位 中国農業銀行 8.0% 190日 5万元
1位 交通銀行 8.5% 90日 5万元

街の金融ショップではこれらをさらに小分けにして、例えば1万元単位で販売している、それも1位~3位の大手のものではなく、4位5位のような地銀の商品が中心だ。筆者はこれらについて、富裕層の信頼が厚い大手プライベートバンク「招商銀行」の支店長に聞いてみたことがある。彼女からのアドバイスは「絶対に手を出すな」であった。

安心安全の銀行定期預金は、1年1,75%、2年2.25%で、大手横並びである。高金利商品では、普通預金なみの便利さのMMF「余額宝」は年率換算4%くらいある。

理財商品の宣伝利率は、理論上の上限にすぎず、元本不保証などリスクの高いことも分かった。しかし平均4.98%をたたき出していることもまた事実である。中国の金融最前線は、パッとしない株式市場よりはるかにダイナミックに動いているように見える。高金利商品のバリエーションは日本の比ではない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)。

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