豊かな老後を過ごすためには年金だけに頼るのではなく、主体的に資産運用を行い、備えておくことが重要です。その中で、効果的な資産運用をするためには貯蓄をすることが大切です。「お金に稼いでもらう」という理想的なパターンを築き上げるために、私たちはどのようにしたらよいのでしょうか。

日本人の年代別貯蓄平均

(写真=Kinga/Shutterstock.com)
(写真=Kinga/Shutterstock.com)

実際に日本人の貯蓄平均額がいくらなのかを確認してみましょう。2017年5月に公表された総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)によると、日本人の平均貯蓄額は1,820万円となっています。また、貯蓄額からローンなどの負債を引いた純貯蓄額を年代別に見ると、下記のような結果になっています。

・ 30代以下:-1,355万円(貯蓄543万円、-負債1,898万円)
・ 40代:-757万円(貯蓄912万円、-負債1,669万円)
・ 50代:230万円(貯蓄1,346万円、-負債1,116万円)
・ 60代:741万円(貯蓄1,551万円、-負債810万円)

これを見ると、50代以降から負債が1,000万円以下になり、純貯蓄額が増加していきます。30代に543万円だった貯蓄が40代になると912万円に増加していることを考えると、40代以降になるとリタイア後のことも考えて資産形成を本格的にスタートする傾向があるのではないでしょうか。

さまざまな形の貯蓄

一言で貯蓄といっても、貯蓄には色々な種類があります。銀行等の普通預金だけではありません。それぞれのメリットやデメリットを確認しておきましょう。

<財形貯蓄>
財形貯蓄には、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の二種類があります。財形貯蓄には合計550万円まで(財形年金貯蓄のうち生命保険料などは385万円まで)は利子所得が非課税になるというメリットがあります。また、財形貯蓄は一度手続きを行うことにより給与から控除される仕組みとなっているため、自然に資産形成に繋がります。しかし、5年間は継続しなければならないというデメリットもあります。

<定期預金>
定期預金は、一般的な総合口座や普通口座に預金するよりも金利が高く設定されていることがメリットです。ただし、満期を迎える前に解約すると、当初予定していた利息を受け取ることができないなどのデメリットがあります。定期預金の中でも積立定期預金にすると、毎月決まった金額が定期預金へ振替されるため、毎月確実に貯蓄することも可能となります。積立タイプの定期預金は途中引き出しも可能ですが、引き出す金額を満たす分の「直近の明細」を解約することになります。先に積み立てしている金額分を引き出すわけではないので注意しましょう。

<生命保険・学資保険>
生命保険や学資保険には、万が一に備えた保障が付いているのが特徴です。毎月一定額を払い込むことによって資産形成になるだけではなく、年末調整や確定申告時に「生命保険料控除」を適用することも可能です。ただし、生命保険や学資保険は途中で解約すると、思った

<外貨預金>
外貨預金は円預金と比較して利率が高いことが魅力の一つになります。外貨預金は預け入れ時の為替より円高になると損失が発生します。逆に、預け入れ時より円安になれば利益となります。為替の動きが主要リスクになりますので、為替レートを確認するようにしましょう。

資産形成のために賢い貯蓄を

仕事をしているうちは、リタイア後の生活をイメージするのなかなか難しいかもしれません。しかし、誰しもがいずれはリタイアする日がやってきます。毎月一定額の年金を受け取れる予定があるとはいえ、世の中の状況によっては受給額が引き下げられる可能性は全くの0ではありません。そのため、今から将来に備えておきましょう。