ゼネラルモーターズ(GM)は、海外仕様左ハンドルの新型SUV「キャデラックXT5クロスオーバー」(総排気量3649CC)を10月28日から日本市場で発売する。7月13日に発表されてから、ネット上では「なぜ左ハンドルだけ」賛否両論の話題沸騰。価格は668万5200から。日本では、米国車はそう売り上げが高い印象はない。人気車種とはいえ、あえて左ハンドル設定しかないのはなぜなのだろうか。

GMジャパンの若松社長は「日本でも成功確信」

SUV,新車販売
XT5(画像=GM Webサイトより)

XT5は、世界の高級車市場の中で最も人気の高いセグメントに投入するモデルであり、キャデラックが今後提供する「XT」の名を冠したクロスオーバー(CROSSOVER)モデルの最初の1台。新世代3.6L V6エンジンを搭載、全長4.8メートルの大型車なのに、重さ2トンを切るほど軽量だ。燃費性能も10%高まった。さらに自動ブレーキや衝突軽減装置など最新の安全機能を装備した。

GMジャパンの若松格社長は発表会で、今年6月までの世界販売は前年比27.1%増であることを挙げ、なかでもXT5クロスオーバーの人気は高いことを挙げ、「キャデラックの中で販売台数が最も多く約40%を占めている」「日本に先駆けて世界で発売している市場ではすでに高い成功を納めている」と話している。

「SUVの概念を塗り替える」ことはできるのか

日本自動車輸入組合によると、2015年の外車(乗用車)販売台数は1位がメルセデス・・ベンツの6万5159台、2位がフォルクスワーゲンの5万4765台、3位BMWの4万6229台。米国車トップのフォードさえ12位の4856台だった。GMのキャデラックは710台で22位。そのフォードは「日本事業は収益性確保に向けた合理的な道筋が立たず、投資に対して十分なリターンは見込めない」との理由で、日本から撤退した。

このような状況の中でGMジャパンは、「SUVの概念を塗り替える」と、XT5に期待する。まず大型車でありながら、トヨタの「C-HR」、ホンダの「ヴェゼル」など全長4.2メートルほどの人気車に対抗する構えで軽量、操縦性など引けを取らないという。

トランプ大統領は、日本における米車の販売シェアが低いことを「不公平」と批判したが、日本の輸入関税はすでにゼロで、競争は同条件。左ハンドル使用しかないXT5をそのまま持ち込み、コスト削減を図るのは自然の成り行きといえるかもしれない。

GM人気車種2台で日本市場に再挑戦

GMは2016年通期で過去最高の利益をあげている。利幅の大きなSUVは北米で好調で、今年の利益は昨年並み、あるいはこれを上回ると見込んでいる。

GMジャパンは合わせて、象徴的なクーペ「シボレーカマロ」の6代目モデルを11月に販売する。16年の販売数はキャデラックが635台、シボレーが593台にとどまったが、XT5とカマロの人気車種で、米国車の魅力を再アピールする。XT5の新型車はすでに米国、欧州では販売されており、キャデラックの世界販売台数の約4割を占める人気車種となっている。さて日本市場では巻き返しなるのか、大いに注目される。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)