2016年8月、中国銀行業監督管理委員会は「網絡借貸信息中介機構業務活動管理暫行辯法」を発表し、網貸行業(ネット金融)の調整期間を12カ月と定めた。その期間終了はまもなくだ。

彼らは伝統金融機関の業務を侵食し、競争は激しさを加えている。一方で当局は次々に政策を繰り出し、規範を守るよう指導している。

しかしネット金融各社は、より一層の内省と戦略の見直しが必要だとニュースサイト「捜狐」が伝えた。急成長している中国のネット金融は、どのような問題を抱えているのだろうか。

64%のサイトに問題

中国経済,消費者金融,捜狐
(写真=PIXTA)

先日行われた第20回国際科学技術産業博覧会における中国金融論壇の席上、中国互聯網(インターネット)金融協会は、育成標準、業態標準、規則標準、検索サービス標準など4つの基準を定め、業界の発展に着手することで合意した。

しかし現状、問題のあるサイトは全体の64%をも占めている。この業界に完全な統計はないが、6月7日段階で、P2Pネット金融サイトは累計で4950を数える。そのうち3169サイトに問題があった。全体の64%である。正常に運営していたのは1781サイトだった。

5月だけで問題のあるサイトは72も増加した。これは4月よりは25%減少したが、直近の13カ月間で増えた問題サイトは、正常サイトの3.16倍である。

違法資金の温床か

5月に増加した72の問題サイトは、北京地区16、上海地区が13、浙江省12、広東省6をはじめ全国20地区に及んでいる。またトラブルの内容は、操作しても現金が振り込まれない、24サイト、インプットしても情報更新されない、18サイトなどである。すでに16サイトは機能停止、7サイトは詐欺と認定され、5サイトはアクセス不能である。

上海金取引所の理事長は、多くの会社にデジタル金融業務の許可が与えられた。そのことによって非法集資(違法な資金集め)を助長していると言う。ネット金融を運営すると称して多くの資金を集めながら、別の使途に回しているという指摘だろう。

さらに同理事長は、今の状態では消費者権益の保護は難しい。データや個人情報の漏洩、紛失、改ざんなどの発生で、資金の安全は危機に瀕している。そしてこれら消費者金融間の関連性は濃く、情報漏れの全国的なリスクは高いと語っている。

目下の問題は、これらのリスクコントロールである。今後は、管理方案の順守、銀行存款(保証金)、情報公開、以上3つの武器を用いて、ネット金融の精度を一歩ずつ上げていく。しかし正常営業していると認められた1781サイトのうち、この3つを備えているサイトは1%もないのが現状だ。

100サイトに集約か?

代表的な業者の一つ「国美消費金融」の幹部は、ネット金融業者の競争はすでにピークを越えた。次段階の重点は、業務の合法性、管理監督、リスクコントロールなどのソフト面を発展させることだ。これこそ今後のネット金融業発展の推進力であると語った。

2017年第一四半期の報告をみると、取引額を倍増させたサイトもある一方、大部分のサイトはマイナス成長である。50%以上下降したところもある。そして能力不足によって経営難となったサイトから、市場を退出していくだろう。すでに中小のサイトから大型サイトに集約される傾向だ。条件をクリアして生き残るのはトップ100サイトくらいではないだろうか、と記事は結ばれている。

しかし、アリババグループの「花唄」、テンセントグループの「微粒貸」など大手ネット企業も独自の戦略で消費者ローンを伸ばしている。果たして100サイトも生き残れるのだろうか。中国の金融界は、本当に生き馬の目を抜く厳しいところである。ただし中国人はそうした修羅場が最も似合う。金融マインドの高さ、違法合法にとらわれない“行動力”の高さは、中国人のイメージそのものである。
(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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