世界4大陸の30人の金融専門家が、長い強気相場が続いた米株式市場が2018年末にかけて、07-09年金融危機後初めて弱気相場に転じると予測している。またクレジット市場も、危機後初めて弱気相場に入るという。

ファンドマネジャーやストラテジストら金融専門家へのこの調査は、ブルームバーグが7月中旬に実施したもの。現在最も脆弱と見られる資産は何かの見方は割れ、欧州の高利回り債券から振興市場の現地通貨建て債までさまざまだが、大半は債券という回答だった

グレートローテンションに終止符か

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(写真=PIXTA)

調査結果はさらに、米国の次のリセッション(景気後退)について聞いたところ、25人が回答して、19年1-6月(上期)が中央値だった。各国の中央銀行がバランスシートの縮小に本腰を入れるであろう時期に、金融市場のこれまでの順調な流れは終止符を打つ。18年半ばまでに、米連邦準備制度(FRB)の緊縮政策が進み、欧州中銀は資産購入を縮小する日銀に同調する。

株式も債券相場も弱含むとなれば、債券から株式に投資資金が一斉に流れる「グレートローテーション」という考え方に終止符が打たれる可能性もあるという。07-09年のような金融メルトダウンを示唆する回答者はいなかったものの、米株式市場における02年の弱気相場では、7兆ドル(現行レートで約783兆円)を超える時価総額が失われた。

シュローダー・インベストメント・マネジメントでマルチアセットファンドを運用するレミ・オルピタン氏は「非常に大きな痛みを伴う結果となる恐れがある。流動性が加速してきた強気相場であり、流動性がなくなれば、弱点が生じる」(ブルームバーグ)と分析した。

トランプ氏は1年前、深刻なリセッションを予測