証券取引所に新たな会社の株式が上場することを新規上場=IPO(Initial Public Offering/新規公開)と言う。IPO株は初値がついた後、株価が急上昇するケースも多く、個人投資家からの人気も高い。
IPO株の他に、個人投資家の人気を集めているのが「立会外分売」だ。立会外分売とは、取引所等の取引時間外(売買立会外)に、大株主等の大量の売注文を、多くの投資家に分売する売買方法のことをいう。
立会外分売 企業と投資家それぞれのメリット
特定の大株主が大量の株式を売る時、取引時間中に大量の売り注文を出すと、売り注文が殺到して株価が大幅に下落しかねない。そうした事態を避けるために、立会外分売を利用することで株価の下落を避けつつ、多くの投資家に買ってもらうことが可能になる。
企業としては立会外分売を利用することで次のようなメリットがある。
(1)個人の株主を増やすことができる
(2)株式の流動性を高めることができる
(3)株価の値崩れを防ぐことができる
個人投資家にも、立会外分売で株式を購入することで次のようなメリットがある。
(1)分売による株式購入手数料がタダになる
通常、株式の購入・売却時には売買手数料がかかるが、立会外分売を利用すると、株式購入時の手数料がかからないのでお得というわけだ。たかだか数百円くらい……と思うかもしれないが、その手数料分を利益に変えられる。購入したいと考えている企業が立会外分売を行う場合には、手数料がかからないので積極的に利用を検討したい。
(2)数%割引された株価で安く購入することができる
立会外分売での割引率は企業によって変わるが、いずれにしろ終値よりも安い価格で株式を購入できる。株式を少しでも安く購入できれば、それだけ利益も大きくなるわけだから、安く購入できて損はない。購入したいと考えている企業が立会外分売を行う場合には、安く購入できてお得になるので積極的に利用を検討したい。