有名なYouTuber、HIKAKIN(ヒカキン)、はじめしゃちょーらをマネジメントするUUUM(ウーム) <3990> が8月30日、東証マザーズに上場する。経営陣や法人の背後関係、事業数値などからこの同社の状況を分析してみよう。

事業内容は?

IPO,YouTube,
(画像=Webサイトより)

UUUMの事業内容はまさに現代らしい。業務内容は動画サイトYouTube上で活動する動画投稿ユーザー(YouTuber)のプロモーションおよび技術提供、グッズ販売、動画コンテンツ制作などだ。

売れ筋の動画投稿者をプロモーションすることで、動画の再生における広告費の一部を受け取ったり、もしくはYouTube上で販促したい企業とyoutuberをマッチングさせ、仲介手数料を受け取ったりという形だ。

こういった形式上、現行モデルはYouTubeに依存した事業形式であるが、マネジメントノウハウや企業・動画作成者(タレント)とのつながりは事業における無形資産として蓄積されていくため、テレビに取って代わる販促ツール提供法人に化ける可能性があるとして、注目度は高い。

ソフトバンクグループと野村系VCが関与

UUUMを分析する上で忘れてはならないのが、「ソフトバンクグループ」および「野村系のベンチャーキャピタル」が関わっているということだ。

資本出資という観点からだけでなく、例えば代表取締役である鎌田和樹氏はソフトバンクグループに強い関わりを持っていた方であり、それ以外にも監査役にも元・野村グループ系ベンチャーキャピタル社員が入っているだけでなく、主幹事証券も野村証券が担当する。

こういった形で「経営戦略や運営に大手が大きく噛む」ことで高い成長性や発展性が期待される一方、金融機関の評価では「ベンチャーキャピタルなどの出資比率が多すぎ、手垢が付きすぎている感じがする」として一部、敬遠する声も上がっている。

業績の分析と考察

もっとも法人の収益数値自体は悪くない。

経常利益こそ、創業から2期目までは赤字だったものの、3期目および4期目(現在)は黒字化しただけでなく、業績を伸ばしている。また、売上高も1期目から4期目までにかけて順調に右肩上がりとなっており、多少「上場のために調整」をした感はあるものの、数値上は順調に推移している。

売上に関して詳細に言及すると、1期目から2期目の間に売上高は約9倍に伸びている。これは株式発行によってVCから資金調達したためであるとみられ、典型的な「1年目で事業準備とテストを行い、その実数数値をもって投資を呼び込んだ」というケースであると考えられるため、急な変動ではあるが特に懸念要素にはならない。

上場後の値動き考察と分析

長期的な投資対象を探す上では「業績」および「経営者」などの分析は大事であるが、筆者の運用アドバイザリーとしての経験上、こういったものはIPO投資においてはほぼ気休めにしかならない、と言ってしまってもよい。

上場直後の値動きを決める要素を挙げると「話題性」「上場規模」「前後のIPO上場予定」の3つだろう。

「話題性」の面では、「YouTuberのプロモーション」という、まさに時代の先端をいくもので注目度は高い。またIPO投資家という観点からも「通信業関連のセクター」であるということで値動き率が高いと見込まれており、こちらの視点からも注目されている。

次に「上場規模」だが、こちらは資金調達規模はOA(オーバーアロットメント)を含んで約11億円と、小型〜中型間に位置する。また上場市場はマザーズであるため、「値上がりしやすいIPO条件」である、「マザーズ・小型」という2つの要素を満たしていると言える。

ただし法人関係者の小口保有やベンチャーキャピタルなどといった、「(ロックアップが終わった後の)短期的な売却」が想定される株式保有者が目立つため、これが上値の蓋となる可能性はある。

最後に「前後のIPO上場」だが、今回の案件は「単独上場」と呼ばれ、同日に上場するIPO案件は存在しない。またそれだけでなく、8月30日にUUUMが上場する前にIPOを行う銘柄は8月9日のトランザスが最後となっており、「IPOの品薄」により、投資家の買いが集中しやすいという局面である。

時代の先端を行くだけに「続くのかどうか」といった点や、YouTuber人気への依存など懸念点もあるが、好材料も少なくない。上場直後だけでなくその後の推移も合わせて、慎重に見守っていきたい。(土居亮規 AFP、バタフライファイナンシャルパートナーズ)

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