ウェルズ・ファーゴの顧客が「自動車保険の不正販売」を理由に、集団訴訟を起こした。
これは同社が既に保険に加入していた自動車ローンの顧客57万人から、返済金と共に無断で損失・損害用保証の掛け金を徴収していたというものだ。自動車ローン部門の内部調査で明らかになった。

被害にあった顧客に87億円の返金を発表

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

CNBCの報道 によると、ウェルズ・ファーゴは被害にあった顧客に、総額8000万ドル(約87億円)を返金する意向を発表している。返済滞納から自動車を差し押さえられていた顧客2万人にも、返金される。

しかしローンの返済をしているつもりが、知らぬ間に保険の支払いまでしていた一部の顧客の憤りは収まらず、法的制裁を要求。インディアナ州のマーケット・コンサルタントの男性顧客を中心に、集団起訴に踏みきった。

この男性は再三にわたり「ほかの自動車保険会社と契約している」とウェルズ・ファーゴに伝えたにも関わらず、598ドル(約6.6万円)の掛け金を請求されたあげく、延滞料を課せられたという。

弁護団は最終的な賠償金が3桁にのぼる可能性を示唆しており、ウェルズ・ファーゴにとっては新たな手痛い打撃となりそうだ。

自動車ローン事業の縮小が報じられていた

昨年世間を騒がせた不正口座開設事件の際、ウェルズ・ファーゴは罰金1.9億ドル(約210億円)、和解金1.4億ドル(約155億円)に加え、ジョン・スタンフCEOの辞任という代償を支払った。

消費者からの信用回復に努めていた矢先に発覚した今回のスキャンダルは、回復を遅らせるどころか致命傷にもなりかねない。

今年に入り、ほぼ60ドル(約6634円)台回復基調にあった株価は、8月2日現在53ドル(約5860円)前後(MarketWatch調査 )。

皮肉なことにウェルズ・ファーゴは、低調な自動車ローン事業を縮小する方向で動いていると報じられていた。貸倒率の上昇を懸念して融資額を控えた結果、第2四半期のローン組成は前年比45%の45億ドル (約4976億円)まで落ちこみ、過去3年で最低水準となった(ロイター調査)。

“米国最大の自動車ローン業者”の地位が、大きく揺らぎ始めている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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