米国の退職金口座残高が3期連続で史上最高水準に達した。

フィデリティ・インベストメンツの調査で分かったもので、今年第2四半期で3期連続となる。

平均的な「401K(確定拠出型年金)」の資産残高は9.7万ドル、IRA(個人退職口座)は10万ドル。

その反面、21%の労働者が十分に貯蓄していないことも分かっており、アンバランスさが目立つ。

経済、雇用の見通しの明るさが、労働者の貯蓄意識向上に貢献?

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

401kとは、企業や加入者が毎月一定額の掛け金を専用の口座に積み立て、自ら運用する米国の私的年金制度だ。一方IRAは個人年金制度である。

401kの平均残高は過去1年で8600ドル(約95万円)、IRAは1万ドル(約110万円)増加。10年間定期的に401kに払い込んでいた労働者の平均残高は、7.8万ドルから27万ドルにまで増えているという。そのうちおよそ半分は雇用側の負担によるものだ(CNBCより )。

好調な株式市場、経済成長、雇用市場の改善、住宅価格の上昇などが、消費者間で老後の準備に対する意識を高め、「退職口座の開設数や貯蓄額の増加につながった」とフィデリティ・インベストメンツは推測している。

オンライン・セミナーやファイナンシャル・プランニング・ツールを含む、金融リテラシー・プログラムを利用する労働者も増えている。同社が6月にサービスを開始した「老後資金診断サイト」は、既に30万人が利用しているそうだ(Time.comより )。

401k利用者の4割が「株に比重を置き過ぎ」

残念ながら、「年金積立の増加=すべての消費者が十分に貯蓄に励んでいる」というわけではない。

フィデリティ・インベストメンツの調査からは、5人に1人の労働者が職場の退職口座に十分積み立てていないせいで 、事業者負担制度を活用しきれていないことも分かっている。そのうち半分は基準に1〜2%不足しているだけで、機会を逃している。

また401k口座保有者の40%が、「資産配分の比重を株に置き過ぎている」そうだ。日本の確定拠出年金(iDeCo)利用者でも、「運用の仕方がよく分からないので放置している」という人も多いと聞く。

スプリングサイド・パートナーズのファイナンシャルプランナー、カリーナ・ダイアモンド氏は、 「景気がよく見える時ほど、今は貯蓄をしなくても大丈夫と誤った判断をしがち」な人間の意思の弱さに、注意を促している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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