HBOの人気テレビドラマ・シリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)」の製作費がシリーズを追うごとに増え、シーズン6(2016年放送)以降は1話につき1000万ドル以上かかっているという。

最新作となるシーズン7では、新たに製作費の記録が塗り替えられることが予想されるが、実は1話1300万ドルというドラマも過去にあった。

ドラゴンのCGIや戦闘シーンの拡大で製作費が巨額に

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(写真=HBO.comより)

壮大なスケールの大河ファンタジードラマとして世界中で人気のGOT。シリーズ初期からストーリーや特殊撮影技術は勿論、その製作費についても話題になっていた。

シーズン6以前は1話600万ドルと推定されていたが、ドラゴンのCGIや戦闘シーンの拡大に伴い、製作費はテレビドラマとは思えない額に達している。

現場責任者であるジェームス・ハイバード氏が「エンターテイメント・ウィークリー」に明かしたところでは、「シーズン6からは1話につき最低1000万ドルはかかっている」そうだ(ビジネス・インサイダーより) 。

以前はシーズン2の第9話で放送された「ブラックウォーターの戦い」が、最も費用がかかったシーンとされていた。実物大の14世紀の戦艦のレプリカなどに費用がかさみ、最終的には総額800万ドルに。現場責任者がHBOの上層部を説得して実現したそうだ。

出費の甲斐あってか、「ブラックウォーターの戦い」はGOTの中で最も人気の高いエピソードのひとつとなった。

GOTの製作費を超えたテレビドラマとは?

シーズン6の製作費を単純計算すると、全10話で1億ドルということになる。シーズン7で突然製作費が削減されるとは想像しがたい。むしろさらに拡大するのではないだろうか。
HBOにとっては巨額の投資であることは間違いない。しかしシーズン7のプレミアでは米国だけでも視聴者が3000万人と、HBOのドラマシリーズの最高記録を打ちだした。

英国では初日7日間で470万人。同国でGOTを放映している衛星放送局スカイにとっても、最高記録の更新となった(Enterrainmentより)。

GOTは全シーズンを通して、米国テレビ芸術科学アカデミーが主催するエミー賞で合計38つの賞を受賞している。こうした数々の快挙を考慮すると、投資の甲斐があるというものだろう。

しかしGOT以上に製作費のかかったテレビドラマは多数ある。最も高くついたテレビドラマはNBCで1994年から2004年にかけて放送された「フレンズ」。出演者の知名度が上がるにつれ、やはり1話1000万ドルかかったといわれている。

同じくNBC「ER緊急救命室(1994年〜2009年)」は、1話1300万ドル(ニューヨークタイムズ紙より)かかったというから驚きだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)