2017年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比6.5%増(1)と、前期の同6.4%増から若干上昇し、市場予想(2)(同6.4%増)を上回った(図表1)。

4-6月期の海外からの純所得(3)は同8.6%増(前期:同5.4%増)と上昇して、国民総所得(GNI)も同6.8%増(前期:同6.2%増)と上昇した。

需要項目別では、主に輸出の好調と政府支出の持ち直しが成長率を押し上げた。

民間消費は前年同期比5.9%増(前期:同5.8%増)と若干上昇した。民間消費の内訳を見ると、通信(同1.6%増)とその他財・サービス(同6.2%増)が低下したものの、食料・飲料(同6.0%増)と住宅・水道光熱(同6.6%増)、交通(同7.6%増)、レストラン・ホテル(同11.4%増)などがそれぞれ上昇して消費全体を押し上げた。

政府消費は同7.1%増(前期:同0.1%増)と、政府の予算執行が改善して上昇した。

総固定資本形成は同9.4%増と、高水準ながらも前期の同14.7%増から低下した。まず設備投資は同8.7%増(前期:同16.9%増)と鈍化した。設備投資の内訳を見ると、輸送用機器(同13.7%増)が好調を維持する一方、産業用特殊機械(同4.4%増)と一般産業用機械(同2.7%増)が低迷した。また建設投資も同7.3%増(前期:同10.8%増)と鈍化した。公共建設投資(同12.0%増)が再び二桁増まで上昇したが、民間建設投資(同4.7%増)が低下した(図表2)。

純輸出については、まず輸出が同19.7%増(前期:同20.3%増)と高水準を維持した。輸出の内訳を見ると、サービス輸出が同9.9%増(前期:同12.4%増)と、主力のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業を中心にやや鈍化したものの、財輸出が同23.0%増(前期:同22.8%増)と、主力の半導体や計算機を中心に好調だった。一方、輸入も同18.7%増(前期:同18.6%増)と高水準となった結果、純輸出の成長率への寄与度は▲0.4%ポイントと、マイナス幅が前期から0.5%ポイント縮小した。